趣味について⑥ ~絵画に興味をもつ~
よしをです。
李朝を中心とした古陶磁の蒐集から、コレクションの幅が広がりました。
対象は朝鮮の民画、浮世絵などです。
李朝の絵には、人物画、動物画や山水画、女性の寝室などにかざる花鳥図、
文字絵といったカテゴリーがあります。
とくに民画といわれる庶民向けの絵画に人気があります。
最初に入手したのは、名古屋市内の骨董店Cでみつけた虎図でした。
朝鮮では、虎が破邪(病気や災厄)の力をもつ吉兆の動物だという
言い伝えがあり、吉報を知らせる鳥ということで、
カササギが一緒に描かれることが多いようです。
民画の虎は、おどけた漫画のような絵が多いのですが、
この作品は、非常に上手な虎が描かれていました。
たしか、18万円で求めたと記憶しています。
次に求めたのは、風水画で、同じくC店で入手しました。
両班(ヤンパン。朝鮮の上流階級)が輿にのって、
山の上の寺院(儒教の寺?)を参拝する意趣の絵です。
たぶん19世紀前半の作品ではないかと想像します。
先導する犬使いや鷹匠の服装など、当時の風俗も垣間見られる、
大変面白い作品です(30万円で求めました)。
京都にある李朝専門の店Dに顔を出したときのことです。
この店は、B店のオーナーから、
「ほとんど贋物だから注意」というアドバイスをもらっていた店でしたが、
たまたま仕事で京都を訪れる機会があり、時間をぬって訪問しました。
陶磁器については、なるほど贋作ばかり、というか、
おそらく全部ダメだと確信しました。
目利き力の低いわたしでも、わかる程度の、ひどいラインナップです。
なにしろ、本物であれば博物館行きレベルの作品が、
10~20万円の値札をつけて並んでいます。
適当に店内を回ったあと、かかっていた絵に目が留まりました。
王(貴族?)や妃の肖像画など、あきらかな贋物に並んで、
かなりくすんだ虎図がかかっていました。
こちらは、間違いなく本物です。
かなり大きな作品で、縦1.5M、幅70CMぐらいあります。
母親と子どもでしょうか?
よく見ると、親虎の足元に、子どもの虎が描かれています。
朝鮮の民画は、紙の材質が悪いうえに、保存状態のよくない作品が多く、
茶色に変色したコンディションの絵をよく見ます。
この作品は、大きく傷がついた貧相な額に入っていますが、
額装し直せば、充分鑑賞に堪えられる作品だと確信しました。
値段は破格の3万円。
作品の扱いにも見て取れますが、絵のコンディションが悪く、
なかなか売れないため、D店主としては、早く処分したかったのでしょう。
まったく、見る目のない店主です。
額装代がかかるため、ディスカウントの交渉をし、
送料込みで、2万5千円にて購入することができました。
額装に2万円ほどかかりましたが、いい買い物ができました。
この虎図は、いまでも自宅のリビングで家族を見つめています。
さて、このD店とは、この絵の購入がきっかけで連絡を取り合うようになり、
その結果、後日、思いもよらぬトラブルになるのですが…。
その話は、またの機会に。
それから、浮世絵についても、あらためてお伝えしなければ。
…絵にも、ずいぶんお金を使いました(汗)。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。