アンティークコイン投資
よしをです。
アンティークコイン投資は、「金」投資よりも、
はるかにリターンが高いといわれています。
「アンティークコイン(以下、コイン)の投資対象は、欧米の古い金・銀貨です。
世界中に一定数のコレクターが存在するので、景気に左右されることもなく、
希少性の高いものを買っておけば、また、年数がたてばたつほど、
希少価値が増していく投資商材です」
などと、いわれていますが…。
本当かな?
個人的には、デメリットに注目してしまいます。
投資会社がデメリットに関して、どんなコメントをしているかといえば、
・基本的に、現金での購入になる
・値上がり(回収)に時間がかかる
・換金性が悪い(海外のオークションやマーケットなどで換金)
という3点です。
「現金購入」、「回収」について、
たとえば、1000万円以上の現金をコインに投資できるかといえば、
正直、わたしには想像できません。
また、値上がりまで、数年~数十年かかるのであれば、
その間、現金を凍結するということですから、こちらも賛同しかねます。
「換金性」については、
わたしは骨董蒐集家の末端にいますので、
デメリットについて、もう少し踏み込んでお話しできると思います。
コイン投資において、考慮すべきもっとも重要なファクターは、
コインを売る相手は、「投資家」ではなく、「蒐集家」だということです。
これは、骨董品と同じですが、
一般的な投資と比べて、マーケットが異常に小さいことを意味します。
たとえば、古陶磁の世界では、
かつて人気があったものが、値下がりすることがあります。
中国のアンダーソン土器などは、
さまざまな事情で、急速に価格が下がってしまいました。
これはコインの世界でも同じだと思うのです。
いくら希少性があっても、人気のないコインもあれば、
その反対に、投資効果という観点では、
パフォーマンスの高いコインがあるだろうということです。
つまり、コインの価値基準は、希少性だけでは判断されないのです。
したがって、コイン投資家自身が、
蒐集家独特の価値判断を有するかどうかが、ポイントになりそうです。
また、絵や焼き物は、劣化するし、破損の可能性もありますが、
金属であるコインは、壊れないため、数が減りません。
絵画や陶磁は、その「儚さ」にロマンがあるのであって、
とくに工夫をしなくても、コンディションが変化しないという点で、
ほかの骨董と比べて、コインの古物としての価値観は、薄いように感じます。
したがって、わたしは、
コインが、爆発的に価値があがる可能性について、懐疑的です。
結論からいえば、
コインに関する深い知識があれば、コイン投資も有力だと思いますが、
その場合においても、おそらく小額投資に限定されるべきだということと、
コレクターでない素人の参入は、かなり冒険的だと考えられることから、
一般的には、「金」のほうが、投資として有力なツールだと感じました。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。