贋物の処分に関して
よしをです。
三流骨董蒐集家にとって、
贋作をつかまされることは、残念ながら少なくありません。
そのこと自体は、自己責任なのですが、
ひとつ、頭の痛い問題があります。
処分に困る。
贋作は、思いきって、捨ててしまってもいいのですが、
真贋不明な品をどうするかが、悩ましいところです。
三流コレクターが、「真贋不明」といっている段階で、
すでに高い確率でダメだとは思うのですが、
「万が一、ホンモノだったら」、
と、考えてしまうのが、三流の浅はかさでもあります。
そこで、思い切って断捨離するために、
「処分ソート」という方法を考えてみました。
「ソートって何?」
NHK教育テレビの「ピタゴラスイッチ」という番組に、
「しめじソート」というコーナー企画があります。
複数の「しめじ」を、長さの順に並べ替える、アルゴリズムの手法です。
といっても、片難しい内容ではありません。
かりに、しめじが10本あるとして、左から短い順に並べてみましょう。
①まず、適当に10本並べます。
②左の2本の長さを比べて、長いほうを、左から2番目に置きます(A)。
③Aと左から3番目を比べて、長いほうを、左から3番目に置きます(B)。
④Bと左から4番目を比べて、長いほうを、左から4番目に置きます(C)。
⑤これを繰り返すと、最終的に一番長いしめじが決定します。
⑥さらに、②~⑤の手順で、2番目に長いしめじが決定します。
⑦さらに、②~⑤の手順で、3番目に長いじめじが決定します。
⑧この繰り返しにより、しめじを、長さ順に並べることに成功しました。
言葉にすると、わかりにくいですね(汗)。
さて、何がいいたいかといえば、この「しめじソート」の手法をつかって、
怪しい骨董品を整理しようということです。
まず、真贋不明の骨董を10点用意し、適当に並べます。
左から順に、2点を比べて、「より、贋物臭のするもの」を、
左から2番目に配置します。
以後は、「しめじソート」の手順を繰り返し、
右から順に、贋物の可能性が高い順に、並べることができました。
あとは、何点処分の対象にするかですが、
今回は、10点中3点を、整理対象とします。
右から3点目までは、燃えないゴミとして、捨ててしまいましょう。
ところが…。
結局、今回の作業で、処分したのは1点きりで、
三流コレクターの意地汚さがクローズアップされただけでした。
発想はよかったのですが。
処分する数は、ソート開始前に決めなければならなかったのです。
かなり怪しい2点は、そのまま留め置かれることになりました。
留め置きの理由は、自分でよくわかっています。
つまり、買った時の値段が頭にこびりついているだけなのです。
「この李朝の瓶は、●●万円だったし…」
ちなみに、処分を決定したのは、李朝のぐい吞みでした。
これは、以前、大阪の骨董店Aで、明確に贋物認定されていたもの。
そもそも、「しめじソート」の力を借りるまでもなく、
処分すべきでした。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。