地方銀行再編におもう
よしをです。
先日、親和銀行を傘下に置く、
ふくおかFGと長崎県の地方銀行・十八銀行の統合が発表されました。
地銀の統合は、今年(2018年)に入ってから、
に続く、3例目になります。
合併の推進エンジンになっているのは、金融庁の方針であり、
その根底には、日本には銀行が多すぎる、という認識があります。
地銀には、「地域密着」、「地域経済の発展に寄与」という原則があり、
これまでも、地域(多くは都道府県単位)での活動がメインでしたが、
昨今は、越境して他県へ進出する銀行も多くなってきたようです。
実際に、わたしの住む町でも、
他府県に本店をもつ地銀の支店がオープンするようになりました。
わたしは金融業界のプロではありませんが、
このところの地銀の乱立は、過当競争であると感じています。
地方における人口減少や、働き手の高齢化、長らく続いた不景気により、
地銀が、本業(預金を貸付に回して、利ザヤを得る)で収益をあげることは、
大変難しくなってきました。
したがって、銀行業界に、企業規模を大きくし、
リスクを分散させるムーブが興っていることは、
省庁の方針に頼らずとも、ごく自然な現象だと思います。
とくに地域全体が、人口、産業ともに収縮傾向にある地方では、
その動きは、ますます顕著になってくると考えられます。
所在する銀行1行あたりの、県内総生産というデータによれば、
銀行の数が多すぎるとされる県は、
高知・島根・山形・沖縄・佐賀・徳島…、の順になっています。
これらの県では、地銀だけでなく、信金も巻き込んで、
合併や、支店の閉鎖が急速にすすんでいくことでしょう。
先日、AIの普及による、仕事の変化についてお伝えしましたが、
銀行業務の大半は、まさに、将来なくなる仕事とされています。
窓口業務や、ディーリング業務はAIが担当することになり、
わずかに、営業やほとんど一部の管理業務だけが残ります。
窓口をもつ支店の数も、減っていくのが自然だと思います。
昭和の話で恐縮です。
わたしの大学時代の同級生のうち、
優秀なものは都銀、もしくは生命保険会社に入りましたが、
その時代、13行あった都市銀行は、合併を繰り返して、
今では、わずかに3行が残るのみになりました。
それでも、この30年間、支店の数はどんどん増え続けてきましたが、
近い将来には、半分以下になるのではないかといわれています。
最新の大学生の就職人気ランキングによれば、
相変わらず銀行・保険は人気が高く、1位は、三菱UFJ銀行だそうです。
まだ、メガバンクは安泰だという認識でしょう。
しかし、バブル世代以前の銀行員は、リストラの対象になり、
銀行は、これまでの高賃金の見直しを余儀なくされます。
先輩の姿を見て、若い行員がどう感じるのか、気になるところです。
人口減少時代を迎えて、
過当競争を疑う業種は、銀行以外にも、たくさんあります。
たとえば流通業界です。
不況により、閉店する百貨店も出てきていますが、
増え続けるスーパーマーケットやコンビニエンスストアについては、
いくらなんでも多すぎると思うのです。
家電業界でも、
合併(三洋電機)や外国企業への身売り(シャープ)を
目にするようになりました。
好調な自動車業界においても、
多すぎる国内企業は、いずれ集約されるように思います。
業界再編成がすすんで、
就職ランキングがどのように変化していくのか、見守りたいと思います。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。