大相撲と言霊信仰
よしをです。
このところ、大相撲をめぐる不祥事などが相次ぎ、
いろいろと風当たりが強くなってきましたが、
ある年配の方から、このような言葉を聞きました。
「お相撲さんをいじめると、天罰が当たる」
相撲というのは、本来、国家安泰、五穀豊穣を祈る神事です。
いうならば、神社の神主と同じような存在であり、
神事に背く行為には、天罰が当たるというわけです。
わたしも、事の発端となった、地方巡業における、
女性が土俵へ上がることの是非についても、
世間の一般常識を当てはめることには、違和感を抱いています。
今後は、男女問わず、地方巡業の土俵には上げない、
という方針でいけば、問題なさそうに思いますが…。
地方巡業は、当該自治体の誘致があって、実現する催事なので、
自治体の希望を、無下にできない事情もあるのです。
実際、市長は、自らの選挙対策のために相撲を誘致しています。
会場には、市民が1000~2000人も集まるわけですから、
言葉は悪いですが、市長は、
経費もかからないうえに、合法的に選挙演説できるというわけです。
先の老人の話ですが、
相撲の話から、今年の猛暑や、水害などに話が及びました。
罰があたるかどうかはともかく、早く、一連のゴタゴタから脱して、
皆が楽しめる大相撲であってほしいと思います。
それから、貴乃花に対するバッシングも、気の毒に思います。
さて、天罰や因果応報については、
必ずしも否定する側ではありませんが、
わたしは、善良な行いをすれば必ず報われるという確信をもって、
日々、生活しています。
また、「言霊」については、日頃から意識をしています。
これは、日本人に古くからある、一種の信仰で、
忌み事については、口にしない、
なぜなら、口にした途端に、それが現実化してしまう、という考え方です。
したがって、日本人は、
人の死や災害、事故などを、あからさまに話題に出すことは、
タブーであると考える傾向があります。
子どもの頃、母親から、
「そんな話をすると、自分も事故に遭うよ」、と、
言われたことがあると思います。
忌み事を耳にすると、誰もが不快な気持ちになると思いますが、
これこそが、日本人の魂に焼き付けられた深層心理・言霊です。
実は、天罰を口にする老人をみて、
わたしは、少し不愉快な気持ちになりました。
実際に天災が起こることはないにしても、
忌み事を話題にするのはタブーである、という意識があるのです。
※ちなみに、大変不思議なことですが、
外国人には、言霊のような感情はないといいます。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。