事故物件の基準
よしをです。
今回は、アパート・マンションの、いわゆる事故物件について、
ユーザーではなく、オーナーの立場で、考えてみたいと思います。
事故物件とは、基本的には、入居者が亡くなった物件のことをいいます。
亡くなる原因は、自然死、自殺、殺人がありますが、
この3つを、事故物件の観点から、どう扱うべきか、基準が曖昧なのです。
たとえば、部屋で凄惨な殺人事件がおこったとすれば、
確実に事故物件ですが、
老人が家族に看取られて、亡くなっていた場合は、
事故とはいわないのが普通です。
あくまでも、事案ごとに対応が変わるというのが、スタンダードな考えです。
仲介業者が、部屋で入居者の死亡があったことを隠匿していた場合は、
宅地建物取引業法のルール違反に問われます。
たとえば、
事情を知らないで入居した人が、しばらくして別の部屋の住民から、
この部屋で、入居者の自殺があったことを伝えられたとします。
その場合、
「部屋で自殺があったことを事前に知っていれば、入居しなかった」、
と主張すれば、貸主に損害賠償責任を問うことができます。
したがって、お互いのトラブルを回避するためにも、
事故物件に関する、仲介業者の告知義務が定められています。
基本的に、
事故物件の告知は、当然されるものだと安心していいと思いますが、
オーナーや管理会社が代わったりして、
事故の有無がわからなくなるケースがないとは言い切れません。
しかし、たとえオーナーや管理会社が事実を知らなくても、
事故物件の指摘を受ければ、業法違反に問われます。
前述のように、案件ごとに対応が変わるので、
実際の地裁の判例を、いくつか紹介したいと思います。
①自殺があったケースで、事故後2年以降は、申告しないでOKとの判決
②他殺のケースでは、50年後も告知義務ありの判例あり
③隣接する部屋には、告知義務なし
④事故後、初めての入居者には事故を告知し、2人目からは告知しない
部屋の賃貸において、
仲介業者と、ここまで話をするケースはないとは思いますが、
参考までに、あえて紹介してみました。
安ければ、事故物件でも構わないという猛者もいるとは思いますが、
やはり事故部兼は避けたい、というのが誰しもの本音です。
最近では、「事故物件一覧」のようなサイトもあるようなので、
部屋探しの参考にされるといいと思います。
わたしも収益物件のオーナーの端くれなので、
アパートやマンションで起きた殺人事件や、火災に対しては、心が痛みます。
テレビでの報道を目にして、
「いいマンションなのに、残念だな…」と、感じることも、多々あります。
以前もお伝えしているように、
貸主は、店子さんの生活をささえる、
という大きな使命を担っているので、
事件事故を目にすると、
自分の経済的な理由とは別に、心が痛くなるのです。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。