遺伝子操作
よしをです。
ある遺伝子組み換えをした蚊を、自然に放ったところ、
その地域で、蚊が85%も減少したという実績があります。
蚊は、成長するために、ある種の抗生物質を必要とするが、
その抗生物質をもたないオスを、遺伝子操作によって人為的に作り出し、
自然に放ってメスと交尾すると、
生まれた幼虫は、抗生物質をもたないために、成長できずに死ぬ、
というシステムです。
東南アジアでも、同様の実験がおこなわれました。
遺伝子組み換えによって、不妊化したオスの蚊を放ちます。
メスと交尾をして、幼虫が生まれますが、幼虫は死に絶えます。
こちらも、劇的な効果を出した、と報告されています。
遺伝子組み換えのすばらしさは、対象の生物を狙い撃ちするため、
殺虫剤散布のような、環境への悪影響がまったくないことです。
最初の段階でも、次世代の個体数を、かなり減らすことができますが、
一定数、不妊個体を継続して放てば、
以後は、正常な個体数が減れば減る分だけ、効果があがります。
正常なオスに比べて不妊オスの割合が増えるので、
効果は加速度的にあがっていくということです。
こんなに素晴らしい対策なら、もっと歓迎されてもいいと思うのですが、
遺伝子組み換えは、いわば、神の領域への挑戦という捉え方をされ、
本格的な導入には、アレルギーがあるようです。
とくに、不妊という言葉に抵抗があるのでは、と想像しています。
遺伝子組み換えによる不妊は、いろんな動物に応用がきくはずです。
寿命の長い生物に対しては、
一定期間、個体数が増えてしまうだけなので、効果は薄いと思いますが、
虫などであれば、おそらく効果は抜群です。
問題になっている、ヒアリやマダニ対策に、
もちろん、以前ご紹介した、南京虫にも効果があるはずです。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。