さあ来い 卒サラ!          ~悔いのないセカンドライフを目指して~

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大塚家具の未来予想図

 

よしをです。

 

ニトリやイケアのような、郊外型の大型インテリア店の進出に押されて、

既存の家具店は、じり貧の状態です。

これは、家具に限ったことでもなく、たとえば、食料品の世界も同じです。

大型ショッピングセンターの進出で、

商圏内にある個人商店や、アーケード街が全滅していくのと、

同様の現象だといえます。

 

そもそも、家具店というのは、効率の悪い商材です。

 

①商品の展示に大きなスペースが必要なこと、

②実際に展示できない商品がたくさんでてしまうこと

 

かつては、

家具ならこの店、照明器具ならこちら、カーテンや雑貨なら…、

という具合に、複数の店を回らなければならなかったのですが、

現在では、大型店で、インテリアのすべてが揃ってしまいます。

その、トータルコーディネートの代表が、ニトリやイケアです。

 

これらの店舗に行ってみるとわかりますが、

まるで、住宅展示場のモデルルームのように、

寝室やキッチン、バスルームなど、

家の内装すべてを、コーディネートする展示がされています。

 

さて、

ついに経営の危機が囁かれはじめた、大塚家具の話です。

大塚家具の販売戦術は、会員制によるものでした。

会員のデータを元に作成した顧客ファイル、

あるいは、新規顧客の場合は、入店の際に顧客ファイルを作成し、

ファイルをもった定員が、顧客と一緒に店内を回って、

プロフィールに合った家財の「まとめ買い」をすすめるスタイルです。

家具は、高級品が中心で、

ターゲットは、新生活を始める新婚夫婦や、富裕層でした。

 

大塚家具で、家財を揃えることは、顧客にとってステータスであり、

大塚家具の経営陣や社員にとっては、

プライドや、アイデンティティーの源でもあったと思います。

 

さて、お家騒動によって社長が交代し、経営方針が大きく変わりました。

高級ターゲットから、ニトリやイケアのコア顧客である、カジュアル層に、

ターゲットをシフトしたのです。

高級家具のスペースを減らし、カジュアルの売り場を広げました。

カジュアル層は、

入店してから、店員に追尾されることを好みません。

また、いきなり個人情報を聞かれることも、忌避する傾向があります。

したがって、新生・大塚家具では、

店員が客について回る販売スタイルもやめました。

 

その結果ですが…、ご存知のように、惨敗です。

かつての富裕層が逃げ、カジュアル層も、その中途半端な品揃えから、

定着しないという、悪循環に陥ってしまいました。

 

新体制となった大塚家具には、

真新しさもあり、一時的に、来店数が増えましたが、

成約数は減少しました。

かつて、高級店であった大塚家具は、

利益率が高く、来店数ではなく、成約率がポイントでした。

 

一方で、カジュアル層は、客単価が低いため、

各社は来客数をふやして、薄利多売で勝負するスタイルをとっています。

大塚家具が、かれらと対等に戦うためには、

この極端な戦術の変更が必要だったのです。

 

大塚家具の戦術仮説は、間違っていました。

あるいは、

方針転換が、「振り切れていなかった」、と表現すべきでしょうか。

経営陣には、

プライドを捨てて、なりふり構わず取り組むという覚悟が、

なかったということなのでしょう。

 

昨年秋には、

貸し会議室を運営する企業と提携し、

店舗の一部を、会議室に転用することが発表されました。

 

明らかに、迷走し始めています。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。