働き方改革とヒュンダイ自動車
よしをです。
働き方改革は、どの企業でも喫緊のテーマで、
わたしが働く会社でも、なかなか頭の痛い課題になっています。
2019年4月から、労働基準法の改定が予定されており、
各企業は、以下の対策を迫られています。
①長時間労働の是正
②多様で柔軟な働き方の実現
③雇用形態に関わらない、公正な待遇の確保
①については、残業時間の制限が、現在よりもさらに厳格化されます。
残業を命じた上司が逮捕される可能性があるなど、
企業の現場には、かなりエキセントリックな伝わり方もしています。
③への対策としては、
いわゆる、「同一労働 同一賃金」への対応が必要です。
どの企業でも、
同じ職場で、正社員と派遣社員・アルバイトが机を並べて、
実質、ほぼ同じ内容の仕事をしているのが、普通だと思います。
これが、法改正によって、違法になります。
あるいは、アルバイトにも正社員と同じ待遇をするならOKというのが、
法改正のタテマエです。
わが社では、
プロジェクトチームを発足し、対応を検討している段階です。
それにしても、ひとりの電通の女性社員の自殺をきっかけに、
世の中がこれほどまでに急激に変化するとは、
思いもよらないことでした。
働く人の生命や、心身の健康の保護をすすめることは、
正しいことだと思います。
しかし、企業が対応を間違えると、
社業全体が破壊されるような事態にもなりかねません。
外国のニュースですが、
興味深い記事を見つけたので紹介します。
韓国のヒュンダイ自動車の労使問題です。
2012年から、非正規社員を正社員として採用しはじめています。
基本的に、非正規社員を全員、正社員化(出向扱い)する予定で、
順次、正社員化をすすめていますが、その経費は莫大です。
ちなみに、ヒュンダイ社員の平均年収は、
トヨタやフォルクスワーゲンよりも20%も高いといわれています。
どんどん正社員化がすすむ一方で、
ヒュンダイ労組は、さらに会社に次のような要求を出しています。
①人材派遣の受け入れは、すべて禁止(仕事が増えれば正規社員採用)
②清掃、警備、施設管理、料理担当まで、すべて正社員化を要求
③元・非正規社員の、出向以前の、正社員の賃金との差額支払いを要求
ヒュンダイ自動車の、近年の低迷の理由がわかりました。
最重要市場の中国での販売不振や、度重なるストの影響とともに、
労使間の不協和音が、その大きな原因だったのです。
日本であれば、
昭和30~40年代の、かつてのラディカルな労働組合であっても、
会社が危険水域に陥るまで、追い詰めることはありませんでした。
それは、少なくとも、
「自分たちが働く会社が、よい会社であってほしい」という、
労働者の気持ちが、根底にあったからではないでしょうか。
しかし、ヒュンダイの場合は(あるいは韓国においては)、
労働組合は、個人の利益を求めるばかりに、
会社の将来や、存続など、
一切無視しているのではないかとさえ思います。
良心のない労働争議は、会社を亡ぼします。
わたしの予想ですが、
10年後には、ヒュンダイ自動車は消滅していると確信します。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。