ゴルゴ13の思い出
よしをです。
「ゴルゴ13」や、「鬼平犯科帳」で知られる、
漫画家さいとうたかおさんが生み出した、
「さいとう・たかおプロダクション」は、独特の分業制作をおこなっています。
とくに、ゴルゴ13については、
その時々の世界情勢や、社会問題に鋭く切り込み、
漫画でありながら、読みながら社会勉強になった記憶があります。
学生時代、友人の下宿に、ゴルゴの単行本が揃っていて、
よく読ませてもらいました。
冷戦期は、米ソを舞台にした物語が多かったようです。
当時のイメージですが、
「さいとうさんは、反共なのではないか」、などと、
友人と話をしていたものです。
ストーリーは、完全な勧善懲悪ではないのですが、
依頼を100%実行するゴルゴの活躍は、
結果的に、人知れず、世界を救うことになったり、
正義の味方として、第三者に感謝される行為になったりします。
決してピカレスクではなく、
実は、とても日本的な常識に裏付けられているのが特徴です。
読後感としては、一種の安心感のある作品に仕上がっていて、
ドラマでは、必殺シリーズと比較されることも多いようですが、
個人的には、「木枯し紋次郎」が、
さらに近い世界観をもった作品であると感じます。
ゴルゴ13の制作は、脚本、作画など、分業で成り立っています。
さいとうさん曰く、
「ドラマを作る才能と作画能力は別だから」、ということです。
脚本については、これまで、
のべ40~50人の脚本家が参加して、ストーリーを作成しています。
脚本家が、それぞれストーリーを持ち込み、
さいとうさんが、採用を決定するというプロセスで、原作が完成していきます。
その先は、作画チームの作業に移りますが、
「さいとうは、ゴルゴの目しか書いていない」
という、都市伝説が生まれたりしています。
最近の作品は、社会問題や世界情勢に重きを置き、
狙撃の場面が、淡泊な作品が多いように感じます。
わたしは、
奇想な狙撃のアイデアに、ゴルゴの面白さの神髄を見るので、
最近の作品の傾向は、少し物足らない気がしますが…。
作品名は忘れましたが、
殺気を感知する能力をもつ、KGBの超能力者を狙撃する回とか、
ピラミッドの中にいる人物を狙撃する回は、今でも思い出します。
無敵のゴルゴ13ですが、弱点がひとつあります。
かれが持病をもっていることです。
それは、ギランバレー症候群のように、
筋肉を動かす運動神経が麻痺する症状で、
年に1回、右腕の筋肉に力が入らなくなる発作をおこします。
…多分、それ、メンタルです。
ひとりのファンとして、さいとう先生には、
これから先も、頑張って連載を続けていただきたいと願っています。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。