イチョウ
よしをです。
銀杏の季節になり、イチョウの木を意識する頃になりました。
わたしの自宅の近所の神社には、イチョウの巨木があり、
毎年、この時期は、銀杏拾いの参拝客で賑わっています。
気候変動などにより、ほとんどが絶滅し、
現在では、中国、朝鮮半島、日本のみに自生しています。
原産地には、定説はありませんが、
11世紀ごろには、中国で栽培されていたことが確認されていて、
14世紀には、銀杏を収穫するために、
盛んに栽培されたという記録が残っています。
日本には、室町時代(14~15世紀)に、中国から持ち込まれました。
イチョウの特徴は、雌雄異株だということです。
また、生命力が強く、接ぎ木や挿し木でも、容易に根付きます。
現在、日本の街路樹に植えられているイチョウは、
すべて、それらの方法で人為的に増やされたもので、
自生した個体はありません。
わたしたちは、普通に目にしていますが、イチョウは、絶滅危惧種でもあります。
ヨーロッパには、18世紀に日本から持ち込まれ、
その後、アメリカにも、植樹されているそうです。
このような特殊な植物が、絶滅を逃れ、現在まで生き残っている理由は、
銀杏の存在です。
このことに、イチョウの意図が読み取れるような気がします。
話はかわりますが、オーストラリアに住む、コアラについて、
常日頃、疑問に思っていることがあります。
かれらが生き残るためにとった戦術が、よくわからないのです。
俊敏でもなく、力が強いわけでもない。
繁殖力が旺盛なわけでもなく、
毒をもっているとか、擬態の技をもっているわけでもありません。
生物として、はるかにポテンシャルの高い、多くの動物が絶滅するなかで、
非力なコアラが、現在まで生き残っている原因は、
唯一、「かわいいから」、という理由しか、考えられないのです。
コアラは、人間の「情」に訴え、イチョウは、人間の「食欲」に訴える。
アプローチの方法には、違いこそあれ、
かれらは、人間の力を介在することによって、生き残ることができました。
意図していたわけではないでしょうが…。
自然と人間との、不思議な縁を感じます。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。