大切な歯
よしをです。
年に一回、歯石をとってもらうため、歯科に行っています。
今のところ、欠損した歯はなく、
親知らず4本を含めて、すべて残っているのですが、
歳とともに、歯茎が下がってきているようで、少し心配しています。
80歳になっても、20本以上の自分の歯を保とうという、
「8020(はちまる・にいぜろ)運動」というものがあります。
生涯、自分の歯で食事ができたら、すばらしいと思います。
歯科医療が進歩した現代に暮らしていると、当たり前なことも、
古くは、まったく事情が異なります。
江戸時代の歯の治療といえば、とにかく抜くしか方法がなかったようです。
「口中医(こうちゅうい)」という歯科医のほかに、
「歯抜師」という抜歯を専門とする者や、
ときには、大道芸人が抜歯をすることもあったようです。
大道芸人は、曲独楽や居合などの芸を披露しながら、歯磨き粉を売ったり、
希望者には、その場で抜歯をおこなっていたといいます。
また、当時は、病気といえば神頼みで、
江戸にあった日比谷神社は、歯の神様として、信仰を集めていました。
通称・鯖神社ともいわれ、
鯖を断って、虫歯を封じるという願掛けをおこなっていたそうです。
なぜ、「断鯖」が虫歯に効くのか、よくわかりませんが(笑)。
歯で悩んだ古人は多く、
小林一茶などは、49歳のときに、歯をすべて失ったのだそうです。
おそらく、歯周病だったのでしょう。
外国では、「太陽王」の愛称でおなじみの、フランス国王・ルイ14世は、
一日の排便回数が、14~18回にものぼったそうです。
あまりにも頻繁に便意が襲ってくるため、
排便しながら、政務や会議に臨んでいたといいます。
原因は、主治医のアントワーヌ・ダカンにありました。
ダカンは、歯は、あらゆる病気の感染源であるという信念をもっていて、
ルイ14世の歯を、すべて抜いてしまったのです。
王は、食欲旺盛ながら、食べ物を咀嚼することができなくなり、
常に、消化不良の状態になってしまいました。
その結果、毎日、下剤を飲まざるを得なくなり、
ほぼ一日中、便意と戦い続けることになってしまったのです。
これらの先人の話は、大変面白いですが、本人は、さぞ辛かったことでしょう。
現在は、さまざまなオーラルケア商品も自由に入手できますし、
歯科医も充実しています。
せっかくのよい環境にいるのですから、
ぜひ、「8020」を、さらには「10020」の健康寿命を、維持したいですね。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。