セカンドキャリア
よしをです。
トライアウトとは、
所属スポーツチームから戦力外を宣告された選手が、
自己の能力をアピールする場のことで、
プロ野球の場合、
毎年11月に、NPBが主催する、合同トライアウトがおこなわれます。
今年度のプロ野球合同トライアウトは、11月13日におこなわれ、
48名(投手29名、野手19名)が参加しました。
今年は何人が、プロ野球を続けられるのか、気になるところですが、
例年、トライアウトを経て、プロ野球に残れるのは、
3名ほどしかいないのです。
今年、トライアウトに参加した、元中日ドラゴンズの関啓扶投手は、
どの球団からも声がかからなければ、
専門学校に通って、歯科技工士を目指すといいます。
「いずれはセラミックの歯や、マウスピースを作って、
野球選手をはじめ、アスリートを、歯から支えたい」、という
セカンドキャリアの夢を語っています。
保険会社や警備会社、すぐれた身体能力を見込んだ建設業などが、
野球選手の、セカンドキャリア候補です。
子どもの頃から心身が鍛えられていて、礼儀正しく、根性もあり、
しかし、球団から戦力外を通告された選手の中で、
その90%ほどが、何らかの形で野球界に残る道を選択しています。
実績のある選手であれば、解説者や、球団のコーチになれますが、
多くの場合は、球団職員や、ブルペン投手や捕手、
子ども向けアカデミーのコーチなどの仕事に就くことが多いようです。
それらの仕事は、契約も単年度などが多いため、
かれらは不安を抱えながら、仕事を続けることになります。
そして、結局は、野球から離れることになるのですが、
一般企業に就職しても、離職率が高いのです。
元野球選手の犯罪も、ときどき耳にします。
選手が退団したあと、
いきなり路頭に迷わすことは忍びないという、球団の温情が、
かえって、選手たちのセカンドキャリアへの前向きな姿勢を、
阻害しているのではないかという、疑問もおこります。
日本には、プロ野球球団が12あります。
あたらしくプロ選手になれるのは、1球団最大15人としても、
毎年180人程度にすぎません。
かれらは、とんでもないスポーツエリートです。
したがって、セカンドキャリアへの第一歩は、
プロ野球選手としてのプライドを捨てることでもあります。
一般の社会人とは異なり、
プロ野球選手は、入団時に契約金を受け取ります。
これは、退職金を事前に受け取っているのと同じことで、
セカンドキャリアを営むための、大切な資金でもあります。
このことを、球団は入団時に、本人に伝えるべきだと思うのですが、
指導を怠っているように感じてならないのです。
入団早々、引退後の話をすることを避けたいのはわかりますが、
相手は野球しか知らない若者、しかも高校生も含まれているのです。
球団が、本当に、選手の将来を考えているならば、
積極的に、セカンドキャリアの大切さを伝えるべきだと思います。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。