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薬学部

 

よしをです。

 

大学薬学部には、4年制と6年制があります。

4年制は、主に研究者を要請するコースで、薬剤師免許は取得できません。

6年制は、薬剤師になるためのコースです。

2006年から、薬学部の6年制過程がスタートし、

2012年には、6年制の最初の卒業者を対象に、

あたらしい薬剤師国家試験が実施されました。

                

いま、問題になっているのは、

新設の大学薬学部(以下、底辺校)における、

中退者および留年者の多さと、国家試験合格率の低さです。

 

現在、全国74大学薬学部のうち、

21学部が、30%以上の退学率だといいます。

一般的な大学学部と比較しても、かなり異常な数値だと思います。

また、国家試験合格率については、50%を切る大学も少なくありません。

 

背景にあるのが、薬学部の急増です。

少子化で、学生確保が激化するなかで、規制緩和がおこなわれ、

受験生の人気を集められそうな、薬学部の新設に、

既存の大学などが、新規参入したのです。

私立大学であれば、

薬学部の授業料は、年間1200万円(国立は350万円)にもなります。

新規参入の大学にとって、6年制薬学部は、ドル箱だと考えられました。

 

その結果、

学力を問わずに、誰でも入学させるような、底辺校が乱立しました。

入学試験には、薬学に必須である理科の試験を課さない大学も現れるなど、

各大学が、なりふり構わず、学生集めに奔走しました。

 

入学はしたものの、

問題は、国家試験に合格するかどうかにかかっています。

 

国家試験合格率は、大学ごとに公表されます。

底辺校は、もともと学力に難ありの学生の集まりなので、

そのまま卒業させてしまうと、合格率はとてつもなく低くなってしまい、

次年度からの学生募集に響きます。

したがって、大学は、

進級のハードルをあげて、留年者を増やすことになります。

 

ある大学は、

国家試験合格率を、50%と発表しています。

これだと、学生の半分が国家試験に合格するわけですから、

この大学を目指す高校生も、少しは希望がもてます。

しかし、ここには、数字のカラクリがあるのです。

 

それは、冒頭で言及した、中退者と留年者の多さにあります。

この大学では、中退者が50%、留年者が20%いるのです。

中退・留年者を除いて、6年間で卒業する学生は、30%に過ぎません。

したがって、合格率50%というのは、全くのマヤカシで、

大学入学時の学生のうち、15%しか合格しないことになります(※2)。

 

(※)⇒(50%×30%=15%)

 

この大学に限らず、多くの学生は、中退を余儀なくされるか、

6年間も、無駄な時間とお金を浪費させられて終わってしまいます。

普通の大学とは違い、

薬学部を卒業しても、薬剤師や学者になれなければ、

何のキャリアにもなりません。

 

政府も、安易に規制緩和をして、

底辺校を認可したことの罪は、大きいと思います。

薬剤師になれる可能性のない、学力不足の高校生を騙し、

人生を誤らすような罠を放置した結果責任について、

大いに反省していただきたいのです。

 

このような底辺校については、

最早、教育現場として崩壊しているといってよく、

許可の取り消しなどの、厳しい処分が必要でしょう。

大学は遊びの場ではないのです。

機会均等などと、キレイゴトをいっていると、悲劇的な結果になります。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。