さあ来い 卒サラ!          ~悔いのないセカンドライフを目指して~

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都市鉱山あれこれ

 

よしをです。

 

一般的に知られていないことですが、

患者を治療した際に取り外した、金などのかぶせものは、

歯医者の副収入になります。

患者には、一応、持ち帰りの希望を確認するのですが、

おそらく、持って帰る人はいないでしょう。

そうやって集めた金属は、まとめて業者に引き取ってもらうのですが、

かなりの金額になるのだそうです。

 

人が火葬される場合、骨壺に入らなかった細かな遺骨が残ります。

これを、 残骨灰といいます。

残骨灰は、基本的に行政が処分するのですが、

ここにも、希少金属が残っています。

基本的に、残骨灰は、自治体の財産(というか所有物)です。

多くの自治体が、故人の金歯や銀歯などの有価金属を、

回収して業者に売却しています。

 

東京都の、ある火葬場では、年間の収益は、約600万円をこえるといいます。

残骨灰に含まれる、金・銀・プラチナ・パラジウムは、

毎年4000万円にもなるという、名古屋市の例もあります。

一方で、遺体の一部を換金するのは不遜という市民の意見もあり、

希少金属を回収せず、そのまま埋葬している自治体もあるといいます。

 

これらのエピソードで思い出すのが、都市鉱山です。

都市鉱山とは、リサイクル事業のひとつで、

廃棄された携帯電話や、パソコン、テレビなどの電子機器から、

金、銀、プラチナなどの希少金属を取り出す事業のことですが、

考えてみれば、金歯や残骨灰も、都市鉱山の一種かもしれません。

 

最近では、都市鉱山で抽出した、金、銀、銅を、

東京オリンピックのメダル製作に使うキャンペーンなどが、知られています。

 

都市鉱山から希少金属を取り出すためには、

機械部品を分解して取り出すだけでなく、

危険な薬品を必要とするケースもあります。

日本国内では、充分に公害対策がされていると思いますが、

発展途上国では、かなり危険な作業がおこなわれているようで、

あらたな社会問題になっています。

 

中国や、東南アジアなどでは、

電子機器から希少金属を取り出すために、薬品が使われています。

それも、普通のたらいに、シアン系の薬品を使って沸騰させ、

金属を取り出すという、かなり荒っぽい方法がとられているのです。

現地では、手袋やマスクもせず、作業をしているようで、

深刻な健康被害が報告されています。

 

いつの時代も、産業が下流に流れると、悲惨な状況を生みます。

これらの国では、人の命は、いかに軽いかということです。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。