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今年の漢字

よしをです。

 

今年の漢字」選定は、1995年にはじまり、

その年の世相を表す文字を決定し、公表するイベントです。

公式・公認行事のように思っている人がいるかもしれませんが、

流行語大賞」や、「サラリーマン川柳」といった、民間のキャンペーンと同じく、

日本漢字能力検定協会という公益財団法人の、単なる宣伝活動です。

 

今年は、「災」が選ばれました。

2月に、北陸を中心とした豪雪、7月には西日本豪雨、8月の記録的猛暑や、

9月は、北海道地震の発生や、台風21号が猛威を振るうなど、

たしかに、災害の多い1年ではありました。

しかし、ネットなどの反応では、

「縁起が悪い」、「もっと明るい漢字を」、「あらたしい元号につながる、いい字を」、

といった要望が多かったように思います。

 

以前も、話題にとりあげたことがありますが、

日本には、「言霊(ことだま)」という信仰があります。

日本の古人たちは、言葉は、単なるコミュニケーションの記号ではなく、

言葉には、霊力が宿っていると考えられてきました。

それを口にしたりすれば、実現すると信じられていて、

忌み言葉については、使用をつつしむ習慣がありました。

わたしも、子どもの頃は、荒っぽい言葉づかいや、

忌み言葉を口にしないようにと、両親から厳しく教育されてきました。

しかし、「今年の漢字」には、

そのような、日本人の心情から、かけ離れた字が多く選ばれています。

 

これまでも、「災」のほかに、「震(1995年 阪神淡路大震災)」、

「食(1996年 O157食中毒)」、「毒(1998年 和歌山カレー事件)」、

「戦(2001年 世界同時多発テロ)」のほか、

昨年は、「北(北朝鮮のミサイル発射)」が、選ばれています。

ちなみに、「災」は、2004年にも選ばれていますが、

この年は、観測史上最多の10個の台風が日本に上陸し、

新潟中越地震浅間山噴火などがあった年です。

 

今年の漢字」は、毎年、京都・清水寺の前で、貫主が揮毫します。

北法相宗最高位の僧侶が、毎年、何を考えて墨書しているのか、

うかがい知ることはできませんが、

明るく前向きの言葉ならともかく、「災」だの、「震」や、「戦」だのといった、

禍々しい言葉を、テレビでも放映されるような、大勢の面前で、

宗教者が大書する行為について、

わたしは、非常に恐ろしいモノを感じています。

 

国の安寧や、人びとの豊かな生活を祈念すべき立場の聖職者が、

なぜ、このような呪われた言葉を書きつけることに加担しているのか、

わたしには、まったく理解できないのです。

 

今年の漢字」は、一般人から募集した、ただの応募1位の作品です。

これを、聖職者をつかって、

権威のある行事のように粉飾をする財団法人や、      

それを、面白おかしく伝えるマスコミに対しても、

わたしは、不快感をもっています。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。