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落語の名跡について

よしをです。

 

市川海老蔵さんが、

十三代目 市川團十郎白猿を襲名することが決まりました。

歌舞伎にも、あらたな時代がやってきたというべきで、

ますます、観劇の楽しみが増したように思います。

               

江戸落語は、祖を初代三笑亭可楽とし、

その門下に、「可楽十哲」として、

初代朝寝房夢羅久、初代林屋正蔵、初代三遊亭円生

初代船遊亭扇橋、初代喜久亭寿楽、初代三笑亭左楽、初代東亭鬼丸、

自笑亭里楽、初代宇治新口、初代三笑亭古楽、初代三笑亭可重、

三笑亭可上、三笑亭世楽、初代うつしゑ都楽、二代目三笑亭可楽

つるや萬助、初代川島歌遊、よたん坊ゆ又、初代瀧亭鯉丈、

初代菅良助、二代目菅良助を、輩出しました。

10人ではなく、全員で、21名いますが…(汗)。

 

このなかで、主流の2派が形成されていきました。

 

初代三遊亭円生門下に、初代立花屋圓蔵(のちに二代目円生)や、

初代古今亭志ん生、初代金原亭馬生が、

二代目円生の弟子に、初代橘屋圓太郎、初代三遊亭圓朝が育ち、

初代圓朝の門下には、三代目円生が生まれます。

これが、三遊派です。

 

一方、初代船遊亭扇橋からは、初代麗々亭柳橋が育ち、

その弟子に、初代春風亭柳枝が生まれます。

初代柳枝から、初代春風亭小さん(のちに林家小さん)が生まれます。

これが、柳派の流れです。

 

現在、止め名(以後の襲名をしない)となっている名跡も含めて、

三笑亭可楽を筆頭に、林屋(現在は林家)正蔵三遊亭円生春風亭柳枝

春風亭(現在は柳家)小さん、の5つが、落語界の大名跡といえるでしょう。

 

落語家は、前座から真打になるまでに、いくどか改名をしますが、

誰が襲名を決めるのかは曖昧です。

基本的には、師匠が弟子に名前をつけるのですが、

歴史のある名跡については、襲名の扱いは難しくなります。

現代でも、名跡をめぐって、しばしばトラブルを巻きおこすことがあります。

 

落語の場合、歌舞伎とは異なり、必ずしも、世襲ではありません。

落語はひとり芝居ですから、実力のあるなしは、

舞台に立てば、すぐにわかってしまいます。

したがって、実力のない縁故者(名人の子どもや孫など)が、

名跡世襲することについては、反発も多くなります。

古今亭志ん生の襲名を逡巡し、志半ばで亡くなった、

古今亭志ん朝志ん生の次男)も、自身は名人上手といわれながらも、

やはり、世間の反応が気になって、決断できなかったのでしょう。

それに比べて、林家正蔵などは…(略)。

 

最近では、七代目円生の襲名をめぐって、紛争になっています。

円生襲名については、

止め名を希望したといわれる六代目未亡人や、息子、

三遊亭鳳楽への円生襲名を希望していた先代円楽の意向など、

さまざまな意見がまとまらず、このまま止め名のままになる可能性が、

高いのではないかと思います。

円生を襲名するような、力のある噺家がいないというのが、

最大の理由でしょうが…。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。