電線地中化
よしをです。
自宅の前の道が、微妙に狭く、電柱がなかったら、と考えることがあります。
日本国内では、電線の地中化が、ほとんどすすんでいません。
国内での電線地中化の歴史は、意外に古く、
1928年に、兵庫県芦屋市(六麓荘町)で導入されたのが最初です。
その後、ようやく、1986年頃から、東京都内や大阪などの大都市圏で、
地中化がおこなわれていますが、遅々としてすすまないのが現状です。
西欧では、ロンドン、パリ、ベルリンのような大都市では、
無電柱化はとっくに完了し、
香港やシンガポール、台北でも、ほぼ100%、無電柱化が完了しています。
ところが、日本国内の無電柱化は、
東京23区で8%、大阪市で6%、名古屋で5%など、
さらに、地方については、ほとんど手がついていないのが現状です。
中興国でも、無電柱化がすすんでいるというのに、
日本では、さらに、年間7万本以上も、電柱が新設されているといいます。
地中化を阻むのは、やはり費用の問題です。
初期費用は、1キロメートルあたり、約5憶円かかるといわれていて、
電柱方式の20倍になるのだそうです。
東京23区の場合、道路延長は2万キロ以上ありますから、
無電柱化100%を達成するためには、10兆円かかる計算になります。
電柱がなくなることで、交通事故の減少が期待できますし、
景観がよくなることに加え、不動産価値が上がるという指摘もあります。
ある不動産会社のデータによれば、
電線地中化によって、土地価格が向上し、
概ね7%ほどのプラス影響があるといわれています。
現在、東京都の場合は、国と地方自治体、電力事業者が、
費用を1/3ずつ負担するのが主流ですが、
費用の一部を、受益者負担にすることも、検討すべきだと思います。
電線地中化のための、電気使用量の上乗せに関しては、
ユーザーの拒否反応は少ないと思いますが、どうでしょうか?
また、国内では、世界の流れに反して、
どんどん電柱が立てられているという現状がありますから、
あらたな電柱を作らせないための、法整備の必要性を痛感します。
東京都の場合、いまの環境下で、電線地中化をすすめていっても、
1年間で無電柱化できるのは、わずか数百メートルにすぎません。
23区内の完全地中化には、あと200年かかるだろうと、
都の関係者は見解を示していますが、そんなバカな話はありません。
早急に、上記の改革案をすすめるべきです。
東京都小池知事は、無電柱化に熱心だといいますから、
まずは、オリンピックを機会に、
東京から、無電柱化をすすめてもらいたいと思います。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。