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落日のヒュンダイ

 

よしをです。

 

韓国の自動車メーカー・ヒュンダイ自動車が、危機に瀕しています。

ヒュンダイは、世界5位の自動車メーカー(系列のキアを含む)です。

 

ヒュンダイは、日本のメーカーをキャッチアップして、

低価格で勝負し、成長してきました。

(ちなみに、ロゴマークも、ホンダのパクリです)。

主力市場である、北米や中国では、よく目にしますが、

日本国内では、実質販売されていないため、

わたしたちは、ほとんど見る機会はありません。

 

その世界5位の自動車メーカーが、いま瀕死の状態に陥っています。

その理由は、主力市場(北米および中国)における、販売の低迷です。

 

中国市場において、ヒュンダイグループ全体の販売台数は、

2009年には、GM、フォルクスワーゲンに続いて3位につけていましたが、

2018年は、販売台数は9位に低迷し、

販売シェアも、全盛時の半分以下(4%)に落ち込んでいます。

 

苦戦の理由は、伝えられているような、中国の国策によるものではなく、

単なるヒュンダイの競争力の低下によるものです。

海外のライバルメーカーは、高価格帯モデルのセダンやSUVを投入して、

業績を伸ばしていますが、ヒュンダイの高価格帯セダンは不評で、

従前の主力車種である、低価格セダンも、

中国のメーカーに、とって代わられてしまったのです。

 

ヒュンダイの低迷は中国だけではありません。

アメリカにおいても、2018年の販売シェアは4%ほどに低下しました。

 

中国やアメリカでの販売不振の理由は、共通しています。

それは、ブランド戦略の誤りです。

SUV人気の高まりなど、消費者の嗜好の変化に気づかず、

ブランドイメージに合致しない、

高価格帯のセダンに傾倒してしまったせいです。

たとえば、ヒュンダイの高級セダン、「ソナタ」は、

トヨタの「カムリ」より、料金設定が高くなっています。

カムリは北米で人気のある車種ですが、

価格でも性能でも劣るヒュンダイ車が勝てないのは当然の結果です。

 

さらに、今後を占ううえで、ヒュンダイには、決定的な弱点が2つあります。

1つ目は、研究開発費の少なさです。

ヒュンダイに限らず、韓国のメーカーは、他国の製品の模倣をして、

低価格で売るという、キャッチアップ戦術をとってきました。

しかし、AIの進化や、自動運転、電気、水素自動車など、

業界が急速に進化する過程で、

調査研究を怠ったヒュンダイは、時代に取り残されつつあります。

世界の車メーカーの研究開発費は、

フォルクスワーゲンが130億ドルで断トツですが、

トヨタが100億ドル、ヒュンダイは30億円と、あきらかに見劣りします。

 

2つ目は、強大すぎる労働組合の存在です。

ヒュンダイ労働組合(現在労組)は、世界最凶といわれています。

今どき、頻繁にストライキをおこなう企業は、

少なくとも日本国内では聞いたこともありませんが、

ヒュンダイでは、毎年のようにストライキがおこっています。

ヒュンダイの賃金は、

すでに、フォルクスワーゲントヨタよりも高いことが知られていますが、

現代労組は、限界を知りません。

現政権の財閥への圧力強化の後押しもありますから、

最悪の場合、会社が倒産するまで、ストライキを続けることになるでしょう。

日本の企業では起こり様もない状況ですが、

他国のことながら、本当に恐ろしい話です。

 

近い将来、

わたしたちは、隣国の主力産業が滅びる姿をみることになるでしょう。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。