3点ユニットバス
よしをです。
バス、トイレ、洗面台の3つが一緒になっているタイプの、
ユニットバスのことを、3点ユニットバスといいます。
2000年代に入ってからの新築物件は、
ほとんどバス、トイレは別のものが主流ですが、
1990年代以前につくられた、単身向けのワンルームマンションでは、
この3点ユニットバスが流行しました。
水回りを集約することで、その分、居室スペースを大きくとれるわけですが、
時代の変遷とともに、不人気物件の象徴のように、
扱われるようになってしまいました。
3点ユニットバスの不人気の理由としては、
①シャワーカーテンにカビが生えやすいことや、掃除が面倒なこと
②湯船に浸かりづらいこと
③来客があると、風呂とトイレを同時に使えないこと
④風呂のあと、トイレを使う場合、足元が濡れること
⑤トイレットペーパーが濡れること
⑥窓がないので、換気扇を長時間回す必要があること
などが挙げられます。
なるほど、人気がない理由がわかります。
インターネットの物件探しサイトでも、
大多数の人が、バス・トイレ別にチェックを入れて調べています。
もし、わたしが独り暮らしをするとしたら、可能であれば、
やはり、3点ユニットバス物件は、避けるだろうと想像しています。
不動産投資の立場で考えた場合にも、同じような事情があります。
割安感のある物件(ワンルームマンションなど)は、
やはり、3点セットものが多くなっています。
お得感があるように思えますが、家賃も低くなるため、
必ずしも、割安物件とはいえません。
したがって、わたしも、自身の不動産投資物件選びの際には、
バス・トイレ別の物件を検討し、購入しています。
そのような事情を反映して、昨今、工事業者からは、
3点ユニットバスを分離させる工事が提案されています。
分離工事には、問題点が2つあります。
まずは、費用の問題です。
いろいろ調査してみて、値段はピンキリですが、分離工事には、
おおまかに、120~200万円かかるようです。
収益性の点で合理的かどうか、計算してみましょう。
これも、いろんな不動産情報からの聞きかじりですが、
3点ユニットバスを改修して、バス、トイレ別にした場合、
家賃を8000円~1万円アップできる可能性があるようです。
アップ分を1万円とすると、かりに、空室期間がなかったとしても、
回収には、(120か月~200か月)かかる計算になります。
年数にして、(10~17年)が必要だということで、
費用対効果を考えると、はっきりいって、お話になりません。
収益性が認められるのは、キャピタルゲイン(売買益)によるものです。
トイレを分離させることで、不動産の価値が上がります。
当該の物件を売却しようとする場合、
購入価格よりも120~200万円以上プラスで売ることができれば、
キャピタルゲインが生まれます。
もうひとつ、気になるのは、3点ユニットを分離した場合に、
トイレを置くスペースが確保できるかどうか、という問題です。
トイレのスペースは、最低でも、2畳程度は必要です。
ワンルームの場合、居住空間をつぶしてトイレをつくる場合、
生活スペースが、極端に狭くなります。
したがって、押し入れ部分をつぶして、トイレを設置するのが基本ですが、
収納スペースがなくなり、別の不自由が発生してしまうことが多くなります。
3点ユニットバスの分離は、ワンルームの場合でも、広めの物件なら可能です。
機会と予算に余裕があれば、
一度、このようなマンション再生にトライしてみたいですね。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。