就職活動のオープン化
よしをです。
日本の大学生の就職戦線は、長らく大学のブランドがモノをいう社会でした。
わが社でも、「A大学から何人ぐらい」といった暗黙の基準がありましたが、
世の中一般においても、有名大学卒業は、
いわゆる、一流企業への就職の通行手形のようなものでした。
就職活動の転換期になったのは、
これらのサービスを使えば、スマートホンでエントリーするだけで、
誰でも均等に、あらゆる企業に応募できるようになりました。
就職活動の透明化という意味では、大いに意義があるのですが、
困ったこともおこっています。
以前であれば、
自分の大学のレベルに合わせた就職活動がされていたのが、
人気企業に、応募が殺到するようになったのです。
会社によっては、何千倍もの競争倍率になってしまい、
大手企業の採用合格者は、1%台になってしまいました。
もちろん、学生側としては、
自分の学力では、到底無理だとはわかっていても、
受験するのは自由なのですが、
企業としては、必然的に、採用コストが増えてしまうことになり、
困っているというのが、現実のところです。
面接においては、数を減らすための目的が主になります。
面接官は、多くの受験者との面談をこなすために、面談時間を絞り、
ほとんど直感で当落を判断しなければなりません。
ベルトコンベアのような面接では、
学生の本当の良さは発見することが難しく、
際立った才能の持ち主というよりも、無難な学生ばかりが残る結果になります。
優等生ばかりの会社は、
長期的には、競争力を失う結果になるのではないかと、
他人事ながら心配になります。
応募数が多いことは、
結果的に、必ずしも、企業にとって歓迎できない事情なのです。
昨今の就職戦線は、売り手市場だといわれていますが、
実は、世の中一律ではなく、一極集中という別の状況があるのです。
ある企業の人事の方と話をしていたところ、
「就活にも、センター試験のような統一基準があるといい」
という話をされていました。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。