さあ来い 卒サラ!          ~悔いのないセカンドライフを目指して~

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ジュラシックパークが教えてくれること

よしをです。

 

 

映画「ジュラシックパーク」で、

絶滅動物を現代に蘇らせるという発想が、一般社会にも認知されましたが、

クローン技術の進歩や、化石からDNA情報を読み出す技術の開発により、

絶滅種の復活は、現実的なものになりつつあります。

 

現在の技術でも、保存された個体からDNAを取り出すことができれば、

遺伝的に、ほぼ同じ動物を作り出すことが可能だといわれています。

たとえば、シベリアの凍土から発見されたマンモスの死体から、

DNAを採取して、解析するまでの作業は、現代の科学でも可能ですから、

象の代理母から、マンモスが生まれることも、決して夢物語ではないのです。

 

しかし、1万年前に絶滅したマンモスを蘇らせることについては、

単純に科学技術の進歩の結果としてではなく、

道義的な観点で、深く考えなければなりません。

 

生物の多様性は、気候や環境など、その時代時代の地球環境のなかで、

微妙なバランスで成り立っています。

恐竜の絶滅は、火山の爆発、もしくは、隕石の落下にともなう、

急激な気候の変動によるといわれています。

進化の過程で、巨大化がすすみ、絶滅してしまった種も多くあります。

メガロドン(巨大サメ)やメガテリウム(巨大ナマケモノ)、

旧人類のギガントピテクスなどもそうです。

 

マンモスや、大型哺乳類は、人類に捕食され、その多くが絶滅しました。

そして、有史以降には、人間の活動によって、

また人間がつくりだした環境の変化によって、絶滅してしまった、

あるいは現在進行中で、絶滅に向かっている生物が、数多く存在しています。

 

人類が、この地球で生き続けるためには、その使命として、

生物の多様性を守るための努力を惜しんではいけません。

また、人為的に絶滅してしまった動物については、

贖罪の気持ちもありますから、

復活させてあげたいという感情について、理解することはできます。

 

たとえば、日本の場合、絶滅したニホンオオカミを復活させれば、

シカやイノシシの食害を減少させる効果があるでしょう。

実際に、アメリカでは、絶滅オオカミの近似種のメキシコオオカミを繁殖させ、

一部の州で、自然に放つというプロジェクトがおこなわれています。

その結果、シカなどによる食害の報告が減り、

イエローストーン国立公園では、生物の多様化も向上しているそうです。

 

しかし、アメリカのオオカミ導入の成功は、稀有な一例でしょう。

成功の理由は、かれらの、絶滅の時期と、深い関係があります。

 

マンモスの復活に、話は戻ります。

かれらが、地球に戻るというのは、人間に例えるなら、

まるで、浦島太郎になったような状態だといえます。

かつて、マンモスの生活域に存在していた、

ほかの生物や植物は、ほとんど存在せず、

気候や、空気の組成率すら異なる世界に蘇ったところで、

マンモスが、幸せな一生を送れるとは考えづらいのです。

 

ジュラシックパーク」が意図しているのは、

人間が恐竜の凶暴性を抑えることは難しい、という単純な警告ではなく、

絶滅生物を復活させる行為は、自然に反するという、警鐘なのです。

 

いわば、神の領域への挑戦はすべきでない、ということなのでしょう。

巨大隕石の落下や、火山の噴火と同じように、

生物の絶滅の原因が、たとえ人間によるものであったとしても、

残念ながら、それは、必然なのです。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。