定年問題と卒サラ
よしをです。
いよいよ公務員の65歳までの定年延長が本格化しそうです。
2021年に定年を61歳にし、以降は3年ごとに1年引き延ばして、
最終的に、2033年に65歳になるという構想です。
民間企業では、60歳定年がほとんどであり、
現在、65歳定年を採用している会社は、
企業全体の15%程度だといわれています。
1998年の、高年齢者雇用安定法の施行により、
企業の定年は、従来の55歳から60歳へと、ほぼ強制的に延長されました。
そして、2013年の改正同法では、
希望者全員の、65歳までの雇用義務化が成立しています。
政府は、人生100年時代を提唱して、
誰もが70歳まで働ける、「70歳現役社会」を目指しています。
健康寿命延伸の目標については、まことに結構な方針だと思う一方で、
今後は、政府が、
さらに、年金受給年齢の引き上げを目論んでいることは疑いなく、
個人的にも、微妙な心情です。
現実的に、60歳以降も、働きたいのか、引退したいのか、
世の中の意見は、どちらなのでしょうか。
明治安田生命が、2018年にアンケート調査をしたところ、
働きたいという意思をもっている人は、
男女ともに、80%という高い数字を示していることがわかりました。
しかし、その理由には、経済的な理由をあげる人がほとんどであり、
本当は働きたくないけど、生活のために、やむなく働く、
という人が圧倒的に多いように思われます。
現在、定年が60歳の会社では、再雇用という制度があります。
希望をすれば、60歳以降も、今の会社で仕事を続けられますが、
給料は、現在の半分以下とか、3分の1程度になってしまうということで、
待遇面では、不満の多い制度になっています。
わたしの勤めている会社にも、65歳までの再雇用制度が導入されていて、
毎年、60歳で定年を迎えた人の半分以上が、
再雇用を選択しています。
実は、再雇用というのは、それほど居心地のいいものではないようです。
「以前と、ほぼ同じ仕事なのに、給料が大幅にダウンした」
「過去の部下や後輩が上司になり、プライドが傷つく」
「権限がまったくない」
再雇用は気楽な稼業と、楽しんで仕事をしているようにみえる先輩方から、
職場を離れると、こんな愚痴が聞こえてくるのです。
もちろん、収入に対する不満はあるでしょうが、
かれらは一様に、会社において、
自分が必要とされていないことが、もっとも辛いことだといいます。
プライドが傷ついてしまえば、いい仕事はできません。
そのような精神状態であれば、
会社にとっては、ただでさえ扱いづらいうえに、お荷物になってしまいます。
先ほど挙げたアンケートについては、
もし、今でも、年金支給年齢が60歳のままだったなら、
異なる結果が出たかもしれません。
わたし自身も、30年以上前にサラリーマンになりましたが、
その時点では、60歳から年金を受給できるものだと思っていました。
したがって、一方的な、受給年齢引き上げ通達には、
騙された思いが強く、怒りを覚えますが、
今さら、そんなことをいっても仕方ありません。
わたしも、会社の先輩各位と同じように、
生活のために、60歳以降も、仕事を続けなければなりません。
会社に留まった先輩方の、怨嗟の声を多く耳にすることになって、
わたしは、卒サラによる起業を目指すことになりました。
自分の道は、自分で切り開かねばなりません。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。