フラット35不正問題
よしをです。
ローンの使途は新築および、中古住宅の購入に限られています。
民間の金融機関が窓口になって住宅ローンを組み、
フラット35を担保に発行される債務の支払いについて、
住宅金融公庫が保証するという、「保証型」があります。
特徴は、終始にわたって、固定金利であることで、
おおむね、1%程度の固定金利が設定されています。
顧客は、経済環境の変化によって、
金利が上昇するリスクを避けることができます。
これが、フラット35の最大の魅力です。
フラット35には、そのほかにも、魅力があります。
まず、民間金融機関が設けている、
融資条件(年収や勤務年数など)について、
フラット35には、規定や審査がありません。
また、繰り上げ返済に関しても、有利な条件が用意されています。
フラット35では、繰り上げ返済が10万円から可能であり、
さらには、繰り上げ手数料がかからないという、
民間の金融機関にはない、ふたつの大きな特徴をもっています。
冒頭で触れたように、フラット35は住宅専用のローンなのですが、
不動産投資に使われているという実態がわかりました。
一般的に、不動産投資ローンの場合、
現在、金利は1%台後半から3%程度、しかも変動制が主流なので、
これが不動産投資に流用されているとすれば、もちろん、不正です。
住宅金融公庫でも、調査の結果、不正流用が確認されれば、
全額返済を求める方針だといいます。
不正流用の一例が報告されていますので、紹介します。
不正が見つかったのは、東京都内のマンション販売業者です。
この業者では、不動産投資家に、フラット35を流用する手口で、
2年間にわたって、のべ250戸の区分マンションを販売していました。
顧客は、20~30代の若者が中心で、融資額は2000~3000万円、
不正受給の合計は、20億円を超えるといいます。
本当は、投資目的なのに、住居用と偽って、融資を引き出し、
マンションの賃貸料収入でローンを返済させるという手口です。
この業者の証言によると、顧客は、年収300万円以下の低所得層で、
借金を抱えている人も多いといいます。
これらの食い詰めの若者をターゲットにして、
投資セミナーやインターネットで、
「借金を帳消しにして、なおかつ不動産も保有できる」などと、
甘言を弄して、勧誘していたそうです。
もし、無審査で低金利の融資を受けられるならば、
わたしだって、いくらでも借金したいと考えます。
なぜなら、わたしには、一定の返済能力があるからです。
しかし、金に余裕のない人に、無理な融資をおこなえば、どうなるのか、
この業者は、顧客の結末がわかっていながら、
犯罪的な営業に、手を染めていました。
少し考えれば、わかりそうなものですが、
フラット35のローンをマンションの賃貸料で返済する想定だとして、
空室が発生した場合、その間の返済を維持できるのかどうか。
返済だけでなく、つぎの入居者を探す際には、
部屋の原状回復のための費用(補修やクリーニング)や、
リーシング(募集)のためには、管理会社への報酬も必要です。
さらに、不正が発覚し、住宅金融公庫から一括返金を求められれば、
かれらの自己破産は必至ですが、
業者は、リスクについて、何も説明しないまま、ローンを組ませています。
もちろん、一義的な責任は業者にありますが、
甘言に騙される愚かな人には、一端の責任があります。
さらに、自己破産になれば、社会的な信頼を失う結果となるのです。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。