心の病と社会復帰の第一歩

よしをです。

 先日、うつ病をきっかけに、自宅を出ることが難しくなった人の、

社会復帰の話を聞く機会がありました（かりに、Ａさんとします）。

とはいっても、Ａさんは、まだまだ家を出ることが難しく、

ようやく、少し外出できるようになったという程度で、

人とのコミュニケーションについては、

恐怖心が残っていて、うまくできない状態なのですが、

Ａさんには、近頃になって、「働きたい」という欲求が出てきたそうです。

Ａさんは、時間のかかる仕事や、しめきりのある作業が、

精神的に苦手ということなのですが、

自宅でできる軽作業と、少々の外出で事足りるアルバイトを、

余裕をもってできる範囲で、いくつか並行して、始めてみることにしました。

①ウェブライター

Ａさんは、かつて証券会社で働いていた経験を生かして、

株やＦＸをテーマに、

コツコツと、パソコンに向かって、記事を書いているのだそうです。

報酬は、１文字０．２円～２円程度と、かなり幅があり、

中には５円のものもあるといいます。

たとえば５００文字の原稿の場合で、１００円～２５００円という計算です。

しかも、コンスタントに株関連のテーマの依頼があるわけではないので、

これだけで生活を賄うことは難しいと思いますが、

かつての専門分野の話題でもあり、楽しく記事を書くことができるし、

なんといっても、自宅で作業が完結できるのがポイントだということです。

②目覚ましコール

コールスタッフとして登録し、

１日１０～２０人を起こすケースが多いようです。

給与体系は歩合制で、１件あたりの報酬は５０～１５０円程度になります。

１件１００円として、１日あたり１０００～２０００円の計算です。

このアルバイトは人気が高く、募集人数が少ないのがネックで、

Ａさんも、根気強く求人を探して、ようやく見つけたのだそうです。

③自動販売機設置場所探し

実際に道を歩いて、自動販売機の設置場所を探し、

土地のオーナーと交渉して、置かせてもらうという、営業活動が基本ですが、

Ａさんの場合は、人との関りが難しいので、

よさそうな場所を探して、ベンダー会社に連絡するまでがミッションです。

散歩をしながら、町を見て回ることで、生活も健康的に変化しそうです。

土地のオーナーとの交渉で、設置まで決定すれば、
１件２万円程度の謝礼が発生するのですが、

場所を伝えるだけのケースでは、設置が成立すれば２０００円、

という契約になっているようです。

以上の①～③に加え、自宅で手作業などもやり、

当然、体のコンディションでバラつきはありますが、

これらの合計で、多い月には８万円程度になるそうです。

ちりも積もれば山、ということでしょうか。

工夫次第で、もう少し、収入もアップできそうだといいます。

心の病を抱えている人は、年々増えており、社会復帰が大きなテーマです。

ひきこもり中年の問題もそうですが、

いきなり社会復帰のハードルを上げるのではなく、

仕事を、できるところから始めれば、

達成感も生まれ、回復が早まるように感じるのです。

自身で、気力を生む、第一歩を見つけられるかどうかがポイントなのですが。

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。