パチンコ店の銀行ATM
よしをです。
わたしはパチンコをやらないので、知らなかったのですが、
全国10000店舗のうち、約10%のパチンコホールの店内に、
銀行ATMが設置されているそうです。
ATMを設置しているのは、
東証一部上場のIT関連会社「インターネットイニシアティブ」の子会社の、
「トラストネットワークス」という会社です。
同社は、2007年から事業を開始していますが、
2009年の、投資家向けの事業説明会で、
店内ATMを4~5年後には、8000台まで拡大するという目標を示したところ、
「赤旗」で、大きく報じられて、社会的批判が集まり、
大規模な新規設置は、ストップしていました。
それでも、その後も、徐々にATM設置が拡大していて、
現在では、全国1000店舗にまで、広がっているそうです。
これは、ゆゆしき事態です。
昨今は、ギャンブル依存症が問題視され、公営ギャンブルのほかに、
パチンコにも、世間の厳しい視線が集まっています。
トラストネットワークス社とパチンコ業界では、
のめり込み防止策として、店内ATMについて、引き出し可能な金額を、
1日の利用制限を3万円まで、1か月で15万円までと、
上限を設けていますが、
これが、有効な依存症対策になっているかといえば、
わたしは、大いに疑問です。
パチンコ店の主張とすれば、
店内のATMを問題にするなら、町中にあるコンビニのATMは、
問題ないのかという意見もあるでしょう。
しかし、かれらの主張は、まったくの的外れです。
店内ATM設置の問題は、
今、まさに目の前にATMがあるということなのです。
パチンコ店が演出するのは、非日常の世界です。
客は、ギャンブルに昂じているうちに、時間を忘れ、
現実感のないまま、手元の現金が消えていく状況になります。
負けが込んで、客の熱があがり、手元の現金が尽きてしまった場合、
もし、店内にATMがなければ、
客は、店外のATMに行かなければなりません。
店外のATMを探す間に、店の外の空気にあたれば、
周りの景色などを見て、
「いや、これ以上は、やめておこう」と、自分を取り戻す可能性もあります。
しかし、店内にATMがあれば、
そのような「チャンス」は、なくなってしまいます。
引き出せる現金が、日額3万円、月額15万円以内に制限されているとしても、
それが抑制力になるなどというのは、店側の詭弁です。
月額15万円といえば、
一般的な収入の社会人の、可処分所得を超えるはずです。
その程度の金額は、些細な小銭だとでもいうのでしょうか?
パチンコ店のオーナーに見解を聞いてみたいと思うぐらいです。
個人的にも、ATM機の早期の撤去を希望します。
それは、疑いなく、犯罪や自己破産の抑制にもつながるはずです。
以前にもお伝えしていますが、
主要な駅前に、あまねく私営ギャンブル場があるのは、日本だけです。
わたしは、このことを恥ずかしく思います。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。