世にも不思議な法律判例
よしをです。
法律の勉強をしていると、いろいろと不思議な判例に突き当たります。
ときどき、「こんなことはありえない」、というような事例について問う、
試験問題があるのです。
たとえば、婚姻に関して、重婚は違法です。
重婚状態になることが明らかであれば、
役所では、あらたに、婚姻届けは受け付けないので、
普通は、重婚は起こりえないのですが、いくつか例外があります。
①戸籍取り扱い上の過誤
②前婚の離婚が無効だった場合
③失踪宣告を受けた者の配偶者が再婚し、失踪宣告が取り消された場合
などで、たとえば、ある試験問題には、③にちなんで、
こんな事例が挙げられています。
(問題)
AはBと婚姻状態だったが、Bが8年前に失踪したので、
Aは、家庭裁判所に失踪届を提出し、受理された。
その後、AはCと再婚したが、失踪後、10年後にBが現れ、
失踪宣告を取り消した。
この場合、Aは重婚状態になるが、
Aが悪意だった場合、前婚と後婚の扱いはどうなるか。
(解答)
「前婚は離婚原因となり、後婚は、取消原因となる」。
何を言っているのかといえば、
前婚は、AとBの協議、調停等により、解消でき、
後婚は、Cの意志とは無関係に、Aの意志で解消できるということで、
Aは、いずれかを選択して、重婚を解消することになります。
民法では、不在者の生死が、7年間不明な場合、
利害関係者の届け出により、
家庭裁判所は、失踪宣告をすることができます。
そして、失踪宣告を受けた者は、死亡したものとみなされます。
「悪意」というのは、特殊な法律用語ですが、
要するに、Bが失踪状態ではないことを、知っていたという意味です。
世の中に、こんな不思議な話があるのかと疑いますが、、
わざわざ、このような事例を挙げているのですから、
実際に、過去に、このような出来事があったのでしょう。
事実は小説より奇なり、という言葉がありますが、
法律の判例などをみると、こんな不思議な事例がいくつも出てきます。
それにしても、Bはなぜ、失踪したのか、そして、なぜ戻ってきたのか。
Aが、Bの去就(疑似失踪?)を知りえたのであれば、
失踪届そのものが、偽装あるいは虚偽の可能性があり、
この設問とは別に、何か犯罪的な裏事情があるのではないか、等々。
疑問はつきませんが、試験問題は、その先を教えてくれません。
「いかんいかん」
マジメに学習に戻らねば。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。