治水をする国、できない国
よしをです。
5月には、連日30度を超える厳しい気候が続き、
北海道では、40度近い高温が記録されたというニュースも耳にし、
すでに今から、今年の夏の気温が、心配になってきます。
昨今の異常気象は、世界的な傾向であり、
朝鮮半島では、この春から、記録的な干ばつが伝えられています。
北朝鮮では、1~5月の期間、ほとんど雨が降らないという状況で、
現在、人口の50%に迫る、2000万人が、
飢餓状態にあるといわれています。
朝鮮半島では、
19世紀までには、暖房用の薪のために、山林は伐採され、
ほとんどが禿山ばかりになっていました。
その後、日本の統治時代に、植樹がすすめられ、
現在、韓国では、多少は、ましな姿になってきましたが、
北朝鮮では、さらに伐採がすすみ、
山は、19世紀と変わらぬ姿に戻ってしまいました。
日本人の発想では、木を伐採すれば、
その代わりに、またあたらしい苗を植えて、
次の世代に資源を継承することが、普通におこなわれますが、
かの国の人びとには、そのような発想はないようです。
禿山は保水力を失い、
川の源流をなす、湧き水を生み出す力を失うと同時に、
多少の雨でも、容易に氾濫をおこします。
本来、山の栄養分は海に流れ、海産物の栄養になるのですが、
禿山は、有機物を生み出すことができないため、
海産物を豊かにすることもできません。
自然のサイクルは、すべてつながっているのですが、
北朝鮮では、マイナスの悪循環に陥っているのです。
四国には大きな河川がなく、灌漑用の溜池が多く建設されてきました。
香川県にある、満濃池(まんのういけ)は、日本最大の溜池です。
その歴史は古く、700年ごろには、讃岐国の国守が創築し、
820年ごろには、空海も、築池に関わったとされています。
その後は、何度も決壊や洪水をおこしながらも、改修を重ね、
現在もなお、現役の灌漑施設として、活躍しています。
濃尾平野を流れる、
古くから水害が多いことで知られていました(現在の岐阜県海津市)。
江戸時代になり、幕府が、河川整備を薩摩藩に命じました。
木曽川、長良川、揖斐川を分流させるための堤防を建築するという、
いわゆる、宝歴治水とよばれる大工事です。
1753年に堤防工事を着工しますが、順調にすすまず、
さまざまな苦難を乗り越えて、2年後の1755年に完成しました。
多大な犠牲のもと、治水が完成したことを記念して、
薩摩藩士が松の苗を植えたものが、千本松原です。
千本松原は、現在は、巨大な松林となり、見事な景観をなしています。
人間の叡智や努力は、こういうことに使うべきなのです。
治水も満足にできないような原始国家が、
核兵器開発など、100年早いというものです。
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