チンパンジーの凶暴性に学ぶことがあるか
よしをです。
基本的には葉や果物や木の実、昆虫などを食べますが、
ときに、狩りをおこない、ほかの猿を捕食します。
なかでも、オナガサル科の アカコロブスという、
チンパンジーより、やや小さい猿が襲われるケースが多いようで、
猿殺しの、実に80%以上が、アカコロブスを狙ったものです。
樹上にアカコロブスを見つけると、群れ全体で取り囲み、
興奮した叫び声をあげながら、追い詰め、捕まえて咬み殺し、
体を引きちぎって食べてしまいます。
かれらは、筋肉のほか、脳を好んで食べていて、
内臓は捨てられることが多いといいます。
以前、NHKの野生動物のドキュメンタリー番組で、
その様子を見たことがありますが、非常に、おぞましい光景で、
正直なところ、子どもには見せたくないと思ったものです。
また、チンパンジーは、仲間殺しや、共食いをすることもわかっています。
子殺しは、
オスが、別の群れの子どもを殺すパターン、
オスが、同じ群れの子どもを殺すパターン、
メスが、同じ群れの子どもを殺すパターンの3つがが知られていて、
恐ろしいことに、かれらは、必ず、殺した子どもを食べてしまうのです。
殺し合いに発展する例は、研究者から報告されていました。
ある研究者は、セネガル南部の森林地帯で、
かつて自分が率いた群れによって虐殺されたという例を、報告しています。
死骸はボロボロの血まみれで、体の一部は食べられていました。
以前、この個体は、30頭以上の群れを率いていたボスでしたが、
覇権争いに敗れ、一旦は群れを離れましたが、
数年後、群れに戻ったところを、かつての配下に集団で襲われて、
命を落としたのです。
その様子は、WEB上で、映像が公開されていますが、
思わず、目をそむけたくなるような、凄惨な光景です。
群れのなかでの、大人同士の殺し合いは、
ほとんど交尾を巡ってのトラブルだということだそうですが、
なかには、ゲーム感覚で、仲間を殺すケースもあるようです。
子ども殺しも、同様の理由かもしれません。
交尾のトラブルについては、
これを証明するように、犠牲者の生殖器が食べられてしまうなど、
ショッキングなケースも報告されています。
わずかに、2%程度であるといわれています。
人間と共通する性質であるという可能性は捨てきれません。
文明の進歩は、戦争によってもたらされたことは事実ですが、
もし、人間に遺伝子に組み込まれた、生来の凶暴性があるとすれば、
残念ながら、
それを叡智で乗り越えることは、永久にできないのかもしれません。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。