地銀の将来が示すもの
よしをです。
地方銀行の苦境が続いています。
地銀のビジネスの基本は、
貸し出し、手数料、運用(有価証券など)ですが、
全国に100行あまりある地銀は、
いずれの営業分野でも低迷しています。
日銀の低金利政策が定着して、融資による収益性が低くなり、
スマホなどをつかった、あらたな決済方法が普及して、
キャッシュレス化がすすむなど、
銀行にとって、思わぬライバルが登場しました。
その結果、支店を維持して活動する、
従来型の銀行の営業スタイルが、
銀行の負担になっているのです。
メガバンクでは、
すでに、支店を縮小させる方向に向かっており、
CD機も、メガバンク同士で共有するなど、
固定費の削減に向かいつつあります。
しかし、地域とのつながり重視が、
基本的方針である地銀においては、
支店の縮小には、消極的なところが多いようです。
金融庁の予測では、
2028年には、60%の地銀が赤字になるとされています。
したがって、地銀においても、他業種と同様、
生き残りのために、
再編成をおこなう必然性が大きくなりました。
しかし、統合によって、
同一地域で、特定の銀行のシェアが高くなりすぎると、
独禁法に触れてしまうという、悩ましい制限があり、
このことが、これまで、地銀統合を難しくしてきました。
特例法成立の動きが具体化しつつあります。
これは、指定された期間のあいだに、
統合をすすめてほしいという、
地銀に対する、金融庁のメッセージであり、
実現するかどうかは未定ながら、
これを機に、統合が一気に動く可能性がでてきました。
トップ地銀同士の包括業務提携は、
その先駆けになるかもしれません。
もし、金融庁の施策が通れば、
このほかにも地銀の合併がすすみ、
いずれ、広域化された地銀グループに収斂する
可能性がでてきましたが、
一方で、合併のトレンドに乗れず、
あるいは、あえて独立を保つ地銀もあらわれるはずです。
業界の再編がすすんでも、
銀行の収益構造は変わりません。
このところ、スルガ銀行の不動産投資への、
不適切融資問題などに端を発して、
銀行全般に、不動産投資への融資引き締めが顕著です。
他行が抑え気味の、不動産投資の分野において、
わたしは、これらの小規模の地銀が、生き残りをかけて、
再び積極的に取り組むきっかけになるのではないかという、
ささやかな期待をしているのです。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。