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ジャンヌ・ダルクの3つの指輪

よしをです。

 

2016年、ジャンヌ・ダルクのものとされる、

15世紀の指輪がオークションに出品され、

約4700万円で落札されました。

 

記録に残るものでは、

ジャンヌ・ダルクのものとされる指輪は3つあります。

第一の指輪は、ジャンヌ・ダルクから、

ジャンヌ・ド・ラヴァルという女性に贈られた金の指輪です。

ラヴァル女史は、シャルル5世に仕えて戦った、

ジャンヌ・ダルクの戦友である、

ギ―・ド・ラヴァルの祖母にあたる女性です。

第二の指輪は、ジャンヌの兄から贈られた指輪で、

ジャンヌの処刑裁判の際、

裁判長によって保管されていたものだといわれています。

第三は、ジャンヌが両親のどちらかから贈られたもので、

「イエス、マリア」の名が刻印され、十字が3つ刻まれていました。

ジャンヌが捕虜になったとき、

ブルゴーニュ軍の兵士に奪われました。

ジャンヌは、この第三の指輪を、大切にしていて、

父母のことを思い、

戦いに臨んで、この指輪を見つめていたといい、

裁判官たちは、ジャンヌが、この指輪をつかって、

魔法や魔術を操ったのではないかという証言が、

裁判記録に残っています。

 

3つの指輪は、記録には残っていますが、

現存するものはありません。

 

オークションにかけられた指輪は、

銀製で、前面に「イエス、マリア」とあり、

横に、「I、M」の刻印があります。

指輪の確実な来歴としては、

1914年に、ロンドン博物館の秘書であったオーツ氏が、

イギリス在住の画家から入手し、オーツ氏の死後、

1929年と1947年の2度、

サザビーズでオークションにかけられ、

医師のハッソン博士が入手しました。

ハッソン博士は、1956年にフランス・ルーアンで開催された、

ジャンヌ・ダルク展に、この指輪を出品しました。

そして、2016年のオークションに、

ハッソン博士の息子が出品しています。

 

オークション側によれば、1914年以前の来歴については、

複数のイギリス貴族の手を渡ったとしていますが、

あくまでも、伝聞であって、信頼性の高い情報ではありません。

 

オークションの主催者は、

この指輪は、第三の指輪であるとしていますが、

歴史学者たちは、みな一様に、疑問を呈しています。

 

この指輪は銀製で、金メッキの痕跡があるのですが、

ジャンヌ本人の証言によれば、

第三の指輪は、「金か真鍮か、わからない」、

と供述しています。

要するに、ジャンヌ・ダルクが両親から贈られた指輪は、

本人がコメントしているように、上等なものではなく、

田舎の農民夫婦が、娘に買い与える程度の安物です。

また、この指輪には、同じく、ジャンヌの証言にある、

側面に、「3つ刻まれている十字」がありません。

 

そもそも、魔女といわれ、火刑にされた少女の遺物を、

わざわざ大切に、

継承し続けるだろうかという疑問が沸いてきます。

骨董の場合、現代の感覚で、価値を図ることは禁物です。

ジャンヌ・ダルクは、死後は一貫して忘れられた存在であり、

再評価されるのは、19世紀以降のことなのです。

 

4700万円は、おそらく高い買い物になったと思います。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。