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江戸の流行語

よしをです。

ユーキャンが発表している、今年の流行語大賞は、
ラグビー日本代表の「ONE TEAM」に決まりました。

わたしは、このコンテストが苦手です。
なぜなら、流行語大賞の歴代の候補に、
左派的な政治メッセージが、多く含まれているからです。
たとえば、「特定秘密保護法(2013年)」、「集団的自衛権(2014)」、
アベ政治を許さない(2015年)」など、
記憶に新しいところでは、2017年の「忖度」があります。
これらの言葉は、恣意的に選出されているように感じるのです。

今年の場合、「ONE TEAM」の受賞理由には、
「7か国15人の海外出身選手を含む31人の結束」が挙げられていますが、
審査員のメッセージは、
「世界に広がりつつある排他的な空気に対する明確なカウンターメッセージであるとともに、近い将来移民を生け入れざるを得ない日本の在り方を…。それは、安倍総理にもしっかりと伝わったと信じたい」、といった内容なのです。

なぜか、ラグビーチームの結束の問題が、移民問題にすり替わっていて、
しかも、安倍総理排他主義的であるかのような主張をしています。
流行語という、世俗的なステージにおいて、
ラグビーという純粋なスポーツの目的を、恣意的に曲解して、
政治的なメッセージを混入させる手法には、気味の悪さを感じます。

江戸時代にも、さまざまな流行語が生まれました。
そのなかに、「とんだ茶釜」という言葉があります。
「とんでもない美人」、といった意味で使われた言葉なのですが、
それには、こんな理由があります。

明和年間ごろ、江戸・谷中笹森稲荷の境内で、商いをしていた、
水茶屋・鍵屋の看板娘の「お仙」は、美人で有名でした。
お仙は、浅草寺観音裏の楊枝屋・柳屋の娘の「お藤」、
浅草二十軒茶屋・蔦屋の娘の「お芳」と並んで、
明和三大美人として、もてはやされました。

彼女たちは、錦絵に描かれ、人形がつくられたり、
歌舞伎や狂言の題材にされました。
今でいう、アイドルのような存在です。
お仙を見たさに、笠森稲荷の参拝客が増え、
「向こう横町のお稲荷さんへ、ざっと拝んでお仙の茶屋に」、
と謳われたそうです。

ところが、明和7年(1770年)に、お仙は忽然と姿を消してしまいました。
店には、やかん頭の父親が残るだけ。
失望したお仙のファンたちの間に、
「とんだ茶釜が、やかんに化けた」、という言葉が流行したそうです。
「とんだ茶釜」はお仙を表し、「やかん」とは、禿頭の親父のことです。

お仙は失踪したわけではなく、
御家人に見初められて、結婚していたのです。
子どもにも恵まれ、77歳で亡くなるまで、
お仙は、幸せな人生を送ったといわれています。

300年前にも、当時の世相をあらわす流行語がありました。
それらのエピソードからは、
庶民の娯楽や、喜怒哀楽が、生き生きと伝わってきます。

それに比べて、現代の流行語大賞の、なんと薄っぺらなことよ。


今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。