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徴用工補償の裏側

よしをです。

朴正熙政権が、徴用工に賠償金(もしくは補償金)を出さなかったのは、
日本からの補償金を、経済成長に投入するという、
一義的な目的のほかに、あまり注目されていませんが、
もうひとつ別の理由があります。

朝鮮半島は、太平洋戦争において、戦争被害を受けていませんが、
その後の朝鮮戦争で、国民の多くが甚大な被害を受けました。
韓国は、国民に対して、朝鮮戦争の補償をおこなっていません。
もし、戦時徴用労働者に補償などすれば、
朝鮮戦争の被害者から、不公平の声があがるに違いないという、
朴正熙大統領の判断があったのです。

現在、日韓関係はめまぐるしく変化していますが、
誰が支払うにせよ、かりに、徴用工への補償が決まった場合、
朴正熙大統領が懸念していたように、
韓国政府は、国民のほとんどが対象になる、
朝鮮戦争の被害者からの要求を、心配しなくてもよいのでしょうか。

日本の、自国民への戦後補償においては、
旧軍人や軍属には、恩給制度など、特別な手当てがされていますが、
民間人の被害に対しては、空襲被害や、海外資産の喪失、
満州や海外からの引揚者や、シベリア抑留者なども含め、
補償はほとんどされていません。
(原爆被害者は例外的に補償されています)。

これは、いわゆる受忍論という考え方で、
国民全員が戦争によって、同様の被害を受けたわけだから、
国民全員で耐え忍ぼうという考え方です。
受忍論は、国の未来のために、過去を忘れて前向きにすすむという、
国の決意を示した考え方でもあります。

受忍論に対しては、当然反対の声もあり、
最近まで、各地で戦後補償裁判が争われていますが、
いずれも、原告敗訴の判決が続いています。
現実問題として、もし、民間人にあまねく補償をするとなると、
その補償額は莫大になり、国家が破綻しかねなくなります。

受忍論は、特別な考え方ではありません。
個人が、戦争被害を甘受しなければならないのは、
日本だけでなく、世界の常識なのです。
(したがって、朴正熙大統領の判断も正当なものです)。

それは、民間においても同様で、
世界中の、ほとんどの個人向け保険は、
生命保険も損害保険も、戦争被害を保障の対象外にしています。

振り返って、韓国社会が、
受忍論や、世界常識が通用する世界なのかどうか。
昨今の市民運動の動きや、内政、外政を勘案しても、
わたしは、大いに疑問を抱いているのです。

ムンジェイン氏の脳内においては、
朝鮮戦争は、風化した過去の話だとでもいうのでしょうか。
もし、朝鮮戦争の補償を求めるデモ隊が、青瓦台に集結した場合、
韓国政府は、それを止めることができるのでしょうか。
それとも、朝鮮戦争も、日本のせいにするつもりなのでしょうか。

 


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