さあ来い 卒サラ!          ~悔いのないセカンドライフを目指して~

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亀と鷲

よしをです。

俊足のアキレスと亀が対決することになりました。
アキレスが100メートル先にいる亀と競争するというものです。
誰もが、アキレスの勝ちを確信していましたが、
なぜか、アキレスは、亀に追いつくことができません。

アキレスが、亀がいる100メートル先に到着する頃に、
亀はゆっくりですが、少し前進しています。
たとえば、亀がすすんだのは、10メートルだとしましょう。
今度は、アキレスは10メートル先の亀を追いかけることになりますが、
アキレスが10メートル先に到着したときには、
亀は1メートル先にすすんでいるのです。

このように、亀のスタート時点がアキレスよりも前である限り、
アキレスは、少しずつ、距離を縮めることはできても、
永遠に亀に追いつくことができません。
これを、アキレスと亀パラドックスといいます。
現実問題として、アキレスは亀に追いつき、追い越すことができますが、
現実とは異なるのがパラドックスたる所以です。

古代ギリシアの人は、亀が好きで、
いろんなたとえ話に、亀が登場します。
たとえ話とは異なりますが、こんな話もあります。
ギリシア三大悲劇詩人として有名なアイスキュロスは、
歴史上、もっとも変わった死に方をした人のひとりです。
ある日、かれは、
空から落ちてきた亀が頭に直撃して、死亡したといいます。
つかまえた亀を、高所から岩の上から落として、
甲羅を割って食べる習性のある鷲が、亀を落としたところ、
運悪く、アイスキュロスに当たってしまったというのです。

おそらくこれは、隕石が直撃して死ぬよりも稀な確率です。
そこで、「ありえないこと」を、「アイスキュロスの亀」といいます。
アキレスと亀」と、「アイスキュロスの亀」。
ややこしや、ややこしや。

ヒゲワシは、ヨーロッパ南部から、アフリカ、インド、チベットなどに、
広く生息域があり、羽を広げると3メートルにもなる、巨大な猛禽です。
おもに、動物の死骸や骨髄を食べ、
固い骨や亀などを、上空から岩の上に落として割り、
飲み込みやすいサイズに砕いてから、食すということですから、
アイスキュロスの死の逸話は、
まんざら作り話ではないようにも思います。

インドやチベットでおこなわれている鳥葬では、
ヒゲワシに加えて、近似種のハゲワシが活躍しています。
どちらも、環境の悪化のために、生息数を減らしています。

ハゲワシは世界中に分布していますが、その状況は悲惨です。
アフリカでは、密猟者が死んだゾウやサイに毒を塗り、
意図的にハゲワシを毒殺しています。
死体にハゲワシが群がり、
密猟が、レンジャーに発見されることを防ぐためです。

いつも、人間の欲望の犠牲になるのは動物です。


今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。