さあ来い 卒サラ!          ~悔いのないセカンドライフを目指して~

起業とか資格とか。趣味や思い出話など いろいろランダムに

所詮は成金のやること

よしをです。
中国の富裕層の投資先は、
国内の不動産価格の停滞から、海外不動産と現物投資に移行しました。
日本のタワーマンションなどは、中国人投資家のターゲットになり、
違法民泊などは、社会問題になっています。
現物投資のほうは、貴金属や珊瑚のほかに、
シングルモルトウイスキーボルドーワインへの投機が目立ちます。
中国近海では、高価な珊瑚を獲りつくし、
日本近海における、中国船の珊瑚の乱獲も問題になりました。

清末以降、膨大な数の書画骨董が、西欧や日本に流出したため、
現在、中国国内には、めぼしい骨董品は残っていません。
したがって、海外に流出した美術品を買い戻す動きが盛んで、
国際的なオークションでも、中国人コレクターの参入が目立ちます。

たとえば、サザビーズでは、
2014年に、明代(15世紀)成化の酒杯が、
中国の陶磁器としては、史上最高額の3600万ドル(約36億円)で、
上海の大富豪に落札されたということで、ニュースになりました。
2017年には、北宋時代の汝窯青磁の筆洗が42億円で落札され、
さらに、最高落札額を更新したということで、
こちらも大きなニュースになりました(落札者は不明)。

30億円とか40億円の骨董品を所有して、どうするつもりなのか。
ただのサラリーマンの想像の及ぶところではありませんが、
物品の価格にしか価値を認めず、ただ、秘蔵するだけだとすれば、
所詮、それは、下品な成金の振る舞いにすぎません。

中国の骨董といえば、贋作がつきもので、
市場には、あらゆるニセモノが流通しています。
大変困ったことに、
景徳鎮では、北宋時代の西暦1000年ごろから現代まで、
ほぼ同じ技法によって、営々と磁器が製作され続けているので、
古物か新作かの見極めが、非常に難しいのです。

前にもブログに書いた記憶があるのですが、
贋物の骨董品の販売を、詐欺罪に問うのは難しいことです。
業者が、故意で贋物を高く売りつけたという証明が難しいからです。
民事的に、損害賠償の義務が生じるかどうかも微妙なところで、
骨董売買の商慣習においては、
真贋の見極めは、買手の自己責任という、暗黙の了解があります。

中堅コレクターの王さんは、
南京の骨董品店で色絵の椀を見つけて、一目で気に入りましたが、
値段は7万元(約130万円)と、まあまあの値段がついていました。
そこで、あらためて友人数名と来店し、現物を見てもらうと、
友人らの反応も良かったため、
王さんは店と交渉して、6万元(約110万円)に値切って購入しました。

家に持ち帰り、自慢の品を友人に見せると、
磁器の模様のなかに、銘(文字)が記されてあるのを発見しました。
王さんは、にわかに色めき立ちました。
それというのも、
中国の骨董の世界には、「文字があれば宝」という言葉があり、
銘があるものは、名品の印であるとされているからです。
王さんは、しかるべき機関に鑑定を依頼すると、
その結果に、愕然としました。
椀には、「電子レンジ使用可」、と書かれていたのです。

驚くべきことに、これは実話です。


春節が始まったそうで、例の伝染病のことやら、憂鬱でなりません。

 


今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。