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アルキメデスは手を汚す

よしをです。
むかし、アルキメデスという賢者が、
シチリア島の南西部の町、シラクサに住んでいました。
ヒエロン王が、金細工師に金塊を渡し、王冠をつくらせました。
王は、金細工師が金を盗み、王冠をつくる際に、
同じ重量分の金属を混ぜて、ごまかしたのではないかと疑い、
アルキメデスに、王冠を壊さずに調べるように命じました。

アルキメデスは何日も悩みましたが、ある日、入浴した際、
浴槽から湯が溢れるさまをみて、ひらめきました。
王冠を水に沈めて、溢れる水の量と、
王冠と同じ重量の金塊を水に沈めて、溢れる量を比べて、
もし、水の量が違っているなら、
王冠には、金以外の混ざりものがある、とわかったのです。
この、「アルキメデスの定理」を発見した時、
アルキメデスは、「ヘウレーカ!(わかったぞ!)」、と2度叫んで、
裸で表に飛び出したそうです。

アルキメデスは、ヒエロン王の庇護のもと、
さまざまな学問的発見を成し遂げました。
かれの特徴は、学術に留まらず、実用化に熱心だったことです。

第2次ポエニ戦争において、
ローマとシラクサの間に戦争が起こりました。
この戦争で、アルキメデスは、
いくつかの兵器の発明をおこなっています。

シラクサは、町の防御のために、海に面した部分から内陸まで、
周りをぐるりと、城壁で取り囲んでいました。
ローマ軍は、戦艦を城壁に近づけて
攻城用のはしごを使って、城内に侵入する作戦を取りました。

アルキメデスが発明した、「アルキメデスの鈎爪」は、
大きな支柱を中心に、シーソーのような長い棒が渡してあり、
片方の先端に、ロープが垂らされ、
ロープの先には、金属製の鈎爪が装着されていました。
もう片方の先端にも、ロープが垂らされていて、
こちらは、滑車を介して、人力で支柱を引っ張るようになっています。
アルキメデスの鈎爪」は、
海側に垂らした鈎爪を、戦艦の縁やマストなどに引っ掛け、
人力で引っ張って、転覆させる仕組みの兵器なのです。

強力な投石器も、アルキメデスの発明です。
投石器自体は、以前からありましたが、アルキメデスは、これを改良し、
重さ500グラムの石を、城内から、敵船まで到達させたということです。

さらにユニークな兵器は、「アルキメデスの熱光線」です。
アルキメデスは、海岸に巨大な鏡をいくつも並べ、
鏡に反射する太陽光を一か所に集めて、
その熱で、船を燃やしたといわれています。

アルキメデスの兵器の活躍もあり、
シラクサは、2年の間、籠城戦を戦い抜きましたが、
やがて城内に厭世気分が蔓延し、ついに、陥落してしまいました。

ローマ軍司令官のマルケルスは、アルキメデスの才能を惜しんで、
兵士に、かれを殺さないように命じますが、
命令もむなしく、アルキメデスは殺されてしまいました。
享年75歳でした。

一説には、
アルキメデスが描いていた図形を、ローマ兵に踏みつけられ、
アルキメデスが兵を詰ったせいで殺されたということですが、
ローマ兵にしてみれば、
仲間を大量に殺した、憎いマッドサイエンティストを、
積極的に処刑したというのが、実情でしょう。
原子爆弾の開発に関わった、ロバート・オッペンハイマーは、
20世紀のアルキメデスといわれることもあるそうですが、
もしそうであるなら、かれは、処刑されるべきでした。

アメリカのネバダ州の砂漠には、
アルキメデスの熱光線と同じ原理で発電をするソーラーシステムが、
存在するのだそうです。


今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。