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鰹と鯛

よしをです。
鰹(かつお)は温かい海を好む回遊魚で、
春になると、イワシの群れを追って、太平洋の日本近海を北上します。
5月ごろには伊豆から房総沖に、9月には三陸方面に移動して引き返し、
晩秋までに紀州、四国沖を通過して、南シナ海へ戻っていきます。

北上する際に獲れた鰹を初鰹、南の海に戻る際に獲れた鰹を戻り鰹といい、
一般的に、初鰹は赤身が多くさっぱりとした味で、
戻り鰹は、脂がのっているとされています。

江戸の庶民というのは、初物が大好きで、
鰹が、「勝つ男」に通じることや、
戦国時代、北条氏綱が乗船する船に、鰹が飛び込んだのを吉兆とし、
戦いに勝ったという逸話があることから、縁起物として重宝されました。
ちなみに北条氏綱は、
引き出物には、かならず鰹節を使っていたといわれています。
「勝男武士」との語呂合わせだとか(暴走族みたいですが)。

「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」

江戸時代の俳人、山口素堂の句は、あまりにも有名です。
シーズン初日の初鰹は高価なもので、1尾1両したといわれています。
なかでも、初鰹の一番船は、1尾あたり3両以上にもなるというので、
伊豆沖で鰹を釣った船は、競争して、江戸の魚河岸を目指しました。
入荷初日以降は、急速に値が下がるのですが、
見栄はりの江戸っ子は、あえて、初日に買うことを粋としました。
なかには借金をして、初鰹を入手するケースもあったといいます。

鎌倉時代以降、武士階級が台頭すると、その姿形が好まれ、
「めでたい」との語呂合わせや、赤色を貴とする仏教の影響も加わって、
いつしか、鯛は魚の王様と呼ばれるようになりました。

京や大阪では、むかしから白身魚を重視する傾向があり、
水揚げ高も圧倒的に西日本が多いため、
鰹よりも、鯛が、季節ものの代表として考えられていました。

春に獲れる産卵期直前のメスは、桜鯛と呼ばれ、
一年を通して、最も美味だといわれています。
なかでも、西宮の桜鯛は、古くからのブランド鯛で、
西宮神社の前で釣れた魚を意味する、「御前の魚」とよばれています。
その西宮神社には、鯛を抱えた恵比寿が祀られています。

六代目三遊亭圓生が、生前、最後に演じたのが、「桜鯛」という小咄でした。

衆院予算委員会で、立憲民主党辻元清美議員が、
モリカケ問題や「桜を見る会」などに関して、
「鯛は頭から腐る。…ここまで来たら頭を代えるしかない」、
と安倍首相を非難し、
首相から、「罵詈雑言の連続。無意味じゃないか」、とヤジを受けました。
立憲民主党の他議員からは、
「(首相の態度は)議会人としてあるまじき行為」、
「懲罰に値するような態度」、などという声があがり、審議が中断しました。

結局、総理も発言を撤回することになったのですが、
罵詈雑言かどうかはともかく、
辻元議員の態度が、下品であることは、間違いのないところです。
関西出身の辻元氏ですが、
桜鯛を愛でる優美な感性はお持ちでないように思います。


今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。