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きょうは猫の日

よしをです。
2月22日は、「にゃんにゃんにゃん」で、「猫の日」です。
多くの研究者によって、猫のDNA分析の研究がすすみ、
イエネコ(いわゆる猫)は、リビアヤマネコを起源とし、
リビアヤマネコの時代から、遺伝子はほとんど変わることなく、
現在まで続いていることがわかっています。

人間が、ヤマネコを家畜化したのではなく、
ヤマネコ自身が、人間と生活を共にする道を選び、猫となりました。
猫が人間と暮らし始めたのは、
紀元前3000年ごろのエジプトを起源とする説が有力でしたが、
地中海のキプロス島にある、シロウカンボス遺跡で、
紀元前7500年ごろの墓から、猫の骨が発掘されたことで定説が覆り、
現在のところ、これが最古の猫の飼育例といわれています。

古代ルーマニアの猫、エジプトの猫のミイラ、現代アフリカの山猫など、
過去9000年間に存在した、200体以上の猫のDNAをおこなった結果、
現代の猫につながる系統には、
ふたつの遺伝子グループが存在することがわかりました。

ひとつは、エジプトを起点に、地中海世界に広がったグループで、
もうひとつは、バビロニアにルーツをもち、東方に移動したグループです。
いずれも、当初は、穀物の天敵である、ネズミを退治するために、
人が共生を認めたと考えられています。

エジプトでは、猫はバステト女神として神格化され、
輸出が禁止されていましたが、
ギリシア人やフェニキア人の商人が、ローマなどに密輸し、
古代ローマでは、高貴な人びとのペットとして寵愛されました。
ローマ軍が、ヨーロッパ遠征をした際に、
食料をネズミから守るために、猫を連れていったところ、
脱走した猫が、ヨーロッパ全土に広がりました。

バビロニアのグループは、
シルクロードの交易とともに、ユーラシア大陸を東にすすみました。
猫は商人とともに、大陸を横断し、中国を経由して、
日本へは、仏教伝来とともに、6世紀ごろ入ってきました。

日本の書物に、初めて猫が登場するのは、
8世紀に、景戒が記した「日本霊異記」です。
この書物のなかで、慶雲2年(705)の出来事として、
豊前国(現在の福岡県)の膳臣某の言葉に、「狸」の表記があり、
景戒が、「禰古(ねこ)」という注釈をつけています。

平安時代になると、
高貴な人びとのペットとして愛玩されるようになり、
宇多天皇の日記「寛平御記」には、
父親の光孝天皇から、黒猫が贈られたという記載があります。
これが、日本最古のペットの猫の記録だそうです。

13代将軍徳川家定に嫁入りした篤姫は、
ミチ姫、サト姫という2匹の猫を飼っていました。
ミチ姫は、ほどなく死んでしまいましたが、
サト姫の方は、16年生きたということです。

世界を見渡すと、
イスラム教を創始したムハンマドが、
猫好きの代表格として知られています。
かれの飼い猫が、服の袖のうえで寝ていたため、
猫の眠りを妨げないように、
袖を切り落としたという逸話も残されています。
ムハンマドが愛した猫が、長毛のペルシャ猫だったのか、
それとも短毛種だったのか、気になるところです。

2系統のルーツをもつ猫に、その後、ささやかな変化が起きます。
それは、「ぶち柄」の毛色が加わったことです。
ぶち柄の猫は、14世紀のオスマントルコ帝国で誕生し、
その後、世界中に広がり、現地の猫と混合していきました。

猫との交流で、気を付けなければならないこともあります。
トキソプラズマ症は、トキソプラズマ原虫による感染症で、
全世界の30%が感染者であるといわれています。
最終宿主はネコ科の動物で、猫の腸管内のみで有精生殖します。
ヒトがトキソプラズマに感染すると、
成人であれば、ほとんど無自覚無症状ですが、
母子感染により、胎児に障害を及ぼすことがあります。

成人であれば、問題はないといわれてきましたが、
トキソプラズマに感染することにより、
反応時間が遅くなって、交通事故に遭う確率が2倍に高まる、
自殺率が増える、
総合失調症や鬱病ADHDパーキンソン病などのリスクが高まる、
という報告が、次々にされるようになりました。
このような報告から、猫は、トキソプラズマを介して、
人間を操っているのではないかという、怪猫伝説も生まれました。

トキソプラズマは、母子感染の病原体であることから、
妊娠中は、猫との濃厚な接触を避けることや、
排泄物に触れないといった対策が重要です。
昔から、妊娠中に猫を飼ってはいけない、という俗説がありましたが、
科学的根拠のある言い伝えだったようです。


今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。