さあ来い 卒サラ!          ~悔いのないセカンドライフを目指して~

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寿命に関すること

よしをです。
生物の寿命を決めるのは、心拍数だという説があります。
1分間に心臓が脈打つ回数は、
人間では60~80回、トガリネズミという小型の齧歯類は1200回、
クジラで10~30回、カメは8回ぐらいですが、
どの動物でも、一生のあいだに心臓が討つ回数は、
8億回で一定であるというのですが、反論も多いようです。

心拍数が少ないと、動きが遅くなり、代謝が低くなります。
生物はみな、代謝によって生命を維持していますが、
代謝によって、老化のもととなる活性酸素を発生します。
代謝がゆっくりだと、活性酸素が出るスピードも遅くなるため、
寿命が長くなるという理屈です。
したがって、一律8億回説が妥当かどうかはわかりませんが、
ある程度、心拍数の数と寿命との因果関係があることは確かだと思います。

最近の研究では、
細胞分裂の回数は、テロメアの長さで決まるという説もあります。
生物の細胞は、分裂を繰り返すと、老化していきます。
細胞分裂できる回数の上限は、
染色体にあるテロメアという部分の長さで決まります。
細胞が分裂するたびに、テロメアの長さが短くなり、
限界まで短くなると、細胞はそれ以上分裂することができずに、
死んでしまいます。

シロアリの女王は、卵を産むと、体力を使い果たして死んでしまいます。
そこで女王は、死ぬ前に自分のクローンを産みます。
クローン女王はまた、クローンを産むという繰り返しにより、
遺伝子的には、死ぬことがありません。
あるいは単細胞生物の場合は、もっとシンプルで、
細胞分裂によって、クローンを作り続けますから、
永遠の寿命をもっているともいえるでしょう。

それでは、老化とか、寿命が悪いことかといえば、そうではありません。
これらは、生物が進化する過程で獲得した利点ともいえるのです。
生物は、環境に合わせて、どんどん進化していきます。
進化のためには、あらたな遺伝子を獲得しなければなりません。
単細胞生物は不死であるかわりに進化できませんが、
多細胞生物は、年をとり、死ぬかわりに、
進化によって、いろんな機能を手に入れたのです。

生き物にとって、最大のテーマは、種族が滅びないことです。
たとえば、ネズミのような小動物は、種族を存続させるために、
あえて、寿命を短くする方向へと進化した可能性もあります。
寿命を長くするためには、
体を大きくしたり、免疫機能を強化する必要があります。
それには大きなエネルギーが必要です。
もし、ネズミが強靭化、巨大化の方向に進化していったとしても、
進化の過程で、猫に食べられて全滅してしまっては、元も子もありません。
寿命を長くする道筋がハイリスクローリターンであれば、
長生きする能力を捨てるかわりに、俊敏な動きと繁殖力を強化して、
子孫に種族の将来を託すほうが合理的です。

人類とて、進化の途上にあります。
今後、さらに環境への対応を強化するために、
ネオ・サピエンスへと進化していくかもしれません。
人類は、進化の過程で優秀な脳を手に入れ、
医学や栄養学が進化し、寿命を延ばすことができました。
幸か不幸かはわかりませんが、
人類だけが、寿命が何であるかを知っています。
しかし、単細胞生物に戻れない以上、
残念ながら、人類が不老不死へと向かうことはないのです。


今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。