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「韓国を見習え」とはどういう意味か

よしをです。
流行の初期に感染者が増えた韓国では、
以降の感染拡大の食い止めに一定の成果をあげているようです。
日本でも、マスコミやテレビコメンテーターの間に、
「韓国を見習え」といった主張が強くあります。
ほとんどが、PCR検査やドライブスルー検査を奨励するもので、
以前、このブログでも、PCR検査は精度が低いことや、
検査の判定が正しかったとしても、
それは、検査時点における感染の有無を証明するだけだという、
指摘をしてきました。

日本のマスコミは、
意図的なのか、あるいは愚鈍だからなのかはわかりませんが、
韓国の防疫体制について、肝心かなめの事実を伝えていません。
その最大のポイントは、ドライブスルー検査ではないのです。

韓国政府は、個人の携帯電話のデータを収集しています。
「安全保護アプリ」のインストールを義務づけて、
すべての携帯電話の持ち主の位置情報を把握し、
人との接触データを24時間、監視しているのです。

感染者には自主隔離対象(外出規制)が課せられます。
かれらの行動は「安全保護アプリ」で監視され、
外出違反をすれば、
「1年以下の懲役または1000万ウォン(100万円程度)の罰金」という、
かなり強力な罰則が課せられます。
そのうえで、違反者には、電子腕輪装置の装着が義務づけられます。
この装置は、外出すると警報音が鳴る仕組みで、
感染者を物理的に外出できなくしています。
腕輪をはずしたり、壊せば、警察に逮捕されます。
これらの罰則規定が、感染拡大の抑止力として機能しているわけです。

韓国政府と自治体が、
ウイルス発生源の新天地キリスト教会の教祖や幹部を、
殺人罪で訴える事案がありましたが、この先には重要な話があります。
韓国政府は、教会から強制的に信者リストを入手し、
携帯電話から、信者の位置情報を確認しているのです。

政府と自治体は、医療機関に対しても、強権発動をおこなっています。
感染防止を強化する行政命令違反として、
感染者の接触リストに漏れがあったり、院内感染を発生させた病院に対して、
当該の病院を刑事告訴するなどと脅しているのです。
医療現場は無理をしてでも従わざるを得ない状況に追い込まれ、
こうした犠牲のうえに医療体制が成り立っているというわけなのです。

韓国の防疫体制を称賛する人たちは、
プライバシー侵害や、医療機関に対する強権発動を、
どのように評価しているのでしょうか。

日本では、感染者には立ち寄り先などのアンケート調査をおこなっていますが、
聞かれると都合の悪い行き先や、接触した人間については、
調査が任意である以上、隠蔽されることが多く、
正確な感染源の特定にはつながりません。
したがって、日本においても、韓国同様に、
たとえ、個人の権利を大きく制限し、強力な罰則を設けてでも、
感染源を特定し、外出を制限し、感染拡大を食い止めるのだ、
という意見であれば、堂々とそのように論じればいいのです。
「韓国に見習え」とは、こういうことではないのですか。

しかし、肝心な点には触れず、ドライブスルー検査やPCR検査を、
こわれたテープレコーダーのように、繰り返し伝えるワイドショーや、
結果論や推測だけで勝手に騒ぎ立てる素人コメンテーター、
対案も出さず、青筋を立てて政府を責め立てるだけの野党議員らは、
市民生活を混乱させることが目的で騒いでいるとしか思えないのです。


今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。