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江戸の園芸ブーム

よしをです。
江戸時代、季節の花々を楽しむことは庶民の身近な娯楽でした。
18世紀になると、植木鉢が普及し、
江戸など、庭を持たない都市部での植物の栽培が盛んになりました。

当時の浮世絵にも、
植木売りや身近に置いた花木を愛でる様子が、多く描かれています。
菊細工の展示など、一種のテーマパークのような娯楽も生まれ、
園芸植物の図鑑や、花の名所のガイドブックが出版されました。
庶民の間に、園芸サークルのような集まりも、生まれました。
それまで、寺社や高貴な人の娯楽であった盆栽も、
一気に庶民に広がりました。

怪談もので知られた、歌舞伎の三代目尾上菊五郎は、
自宅の庭に植木鉢や温室を備え、多様な花を育てていたそうで、
歌舞伎の舞台にも、小道具として、菊五郎の花が飾られました。

江戸のひとびとは、
朝顔、菊、万年青(おもと)などの品種改良をおこないました。
とりわけ、朝顔は、世界でも類を見ないほどの品種が改良され、
突然変異などで生まれた変種は、驚くような高額で取引されました。
経済的に困窮する旗本などが、
自宅で、朝顔栽培の内職をし、家計を助けることも多かったそうです。

1860年に来日した、
イギリス人の植物学者、ロバート・フォーチュンは、
当時の江戸を、「世界一の園芸大国」と絶賛しました。
ただ、残念なことに、江戸時代に生まれた品種の多くは、
現在は消滅してしまい、
黄色の朝顔などは、今では幻の花だといいます。

朝顔市といえば、東京・入谷が有名です。
江戸時代から続くのかといえば、以外にも歴史は浅く、
昭和20年の終戦の日から、
焼け野原の東京の復興を願って、
はじめられた祭りだということです。
その後、朝顔市は7月6~8日となり、
7月9~10日に開かれる
浅草のほおずき市と並んで、江戸の風情を今に伝えています。


今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。