不正投資の代償は大きい
よしをです。
住宅金融公庫が提供する低利率住宅ローン「フラット35」を悪用した
不動産投資家に対して、
契約違反として残額の一括返金を求められるケースが増えています。
投資家のほとんどは実勢価格を上回る価格で物件を購入しているため、
自己破産するケースも少なくないといいます。
最終的に、自己破産者は100人以上になる可能性があると
指摘する弁護士もいます。
フラット35は住宅ローンを目的とした制度であって、
投資目的の借り入れは禁止されています。
住宅金融支援機構と提携した民間金融機関が融資する仕組みですが、
1%ほどの低金利で最長35年間の融資が受けられるため、
悪質な不動産投資会社が、
自己居住用と偽って投資物件を購入させる不正が横行しています。
住宅金融支援機構の昨年の調査では、不正利用が150件見つかり、
それらはいずれも、金額の異なる売買契約書をつかって
融資額を釣り上げる「二重売買契約」という不正行為を併用していました。
「二重売買契約」とは、契約時に金額の異なる2種類の売買契約書を作成し、
金融機関には金額の高い契約書を提示して、
より大きい融資を引き出すものです。
差額分は裏金として、ブローカーや保証賃料を支払うサブリース業者に渡り、
あるいは、買主の借金返済にあてられていたケースもあります。
投資家はブローカーから、
「入居者がいなくても家賃保証(サブリース)する」と勧誘されていましたが、
その賃料の原資の一部は、二重売買の差額、
つまり、元々自分の借金だったりしたわけです。
自己居住用に見せかけるために、住民票を物件の所在地に移したり、
夜中も電灯をつけたり、郵便物を管理会社に転送させるなど、
居住実態がないことが発覚しないように、
ブローカーが小細工をしていたケースもあります。
投資家が借主(金融機関)との契約に違い、
目的外の借入金をした場合は、一括返金義務を負うことになります。
機構は、不正が発覚した150件のケースについて、
一括返金を求めていますが、
これにより多くの投資家が自己破産する可能性があると考えられます。
この問題は、
「誰もがやっているから問題ない」、
「借金が賃料で帳消しになる」などと詐欺的な営業トークによって、
投資を持ち掛けた不動産ブローカーの罪も大きいのですが、
うすうす不正行為と知りながら契約した投資家に、
最大の落ち度があります。
投資が自己責任である以上、
投資家は不正の責任を取らなければなりません。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。