ピロリ菌シロウト考
よしをです。
ピロリ菌は、胃がんや胃潰瘍の原因であることが知られています。
菌の保有率は、世界平均で50%程度であるといわれていますが、
地域差が大きく、インドやラテンアメリカでは70%と高く、
先進諸国では20%前後になっています。
日本は先進国のなかでは保有率が高く、
40%程度であるといわれています。
医療機関のデータでは、ピロリ菌保菌者の30%が、
なんらかの胃腸の病気を発症するといわれています。
ほとんどが幼児期に感染するといわれ、
原因は、井戸水や、食べ物の口うつしなどとされていますが、
衛生状態が向上したことから、
日本でも、若い世代に限っていえば5%程度に収まるといいます。
最近になって急速に、ピロリ菌が人間社会から駆逐されつつありますが、
人類の歴史とともにしていた細菌が、
わずか数世代のうちに、消え去るという劇的変化が、
人体にどのような影響を与えるのか、
漠然とした不安を感じることがあります。
医学シロウトなので…。
悪玉扱いされているピロリ菌ですが、胃がんの発症原因であると同時に、
ほかの病気を抑制する効果があることも知られています。
代表的な病気が、胸やけをおこす逆流性胃腸炎と、食道がんです。
ピロリ菌は、胃酸を減少させる働きがあるため、
制酸剤と同じ効果で、胸やけや食道への胃酸の刺激を押さえ、
がんの発生を抑制する効果があるそうです。
そのほかにも、
ピロリ菌をもっていない人のほうが発症しやすい病気としては、
小麦などのグルテンに対する、自己免疫疾患のセリアック病や、
消化器官とは直接関係ありませんが、ぜんそくがあります。
これらは、いずれも、20世紀になって増えてきた病気です。
人間の身体を守るために働いていた免疫機能が、
自らを攻撃してしまうという現象は、
体内における、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れてしまったことに、
起因するのではないかと思うのです。
いずれ人間の身体が無菌状態になったら、どうなってしまうのか、
シロウト考えですが、かすかに恐れを感じます。
日本人の健康志向は、やもすれば、極端な潔癖症に向かいますが、
「癖」であるからには、必ずしも美徳ではありません。
形の悪いものや虫が穴をあけた野菜、
少しでも賞味期限を過ぎた加工食品はスーパーの店頭に並びません。
ウォシュレットのないトイレで用を足せない人や、
カバーなく、むき出しの状態で販売しているパンや総菜を、
買えないという人もいます。
昭和40年代は、現代よりはるかに不衛生でした。
小学生のころ、蟯虫(ぎょうちゅう)検査で寄生虫が見つかると、
ピンク色の、甘い虫下しの錠剤をもらって、喜んでいたものです。
最近の都会の子どもたちを見ると、
顔に傷のある子が少ないと感じます。
チクロ菓子で口の中を真っ赤にしながら、
ドブに落ちて泥だらけになって、野山を駆け回って、
しょっちゅうケガをしていた時代、
子どもたちは幸せだったように思うのです。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。