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10世紀に日本海を挟んで起こった2つの大噴火

よしをです。

十和田湖は火山です。

火山というと、富士山や浅間山のような円錐型の山を想起しますが、

火砕流の噴出によって生じた陥没カルデラは、十和田湖のほかに、

北海道の屈斜路湖支笏湖洞爺湖や、九州の阿蘇山があります。

 

平安時代に発生した十和田湖噴火は、日本の有史以来、最大規模でした。

延暦寺の僧侶が記した「扶桑略記」には、

延喜15年(915年)の記録として、

「8月18日の朝日には輝きがなく、京の人びとは、まるで月のようだと、不思議に思った。8月26日になって、京に灰が降って二寸積もった。出羽国から、灰が雨のように降り、桑の葉が各地で枯れたという報告があった」、という記述があります。

 

十和田湖周辺は、もともと人口密集地ではないので、

どれほどの被害が生じたのかは不明ですが、のちの地学調査により、

火砕流は猛スピードで半径20キロに広がり、泥流は鷹巣盆地を泥濘化して、

耕作地や建物を飲み込んだことがわかっています。

 

北朝鮮と中国の国境線上に聳える白頭山は、朝鮮半島唯一の活火山で、

これまで、100年に一度の小規模爆発と、

1000年に一度の大噴火を繰り返しています。

直近の噴火は、1925年に発生した小規模なものでした。

西暦946年の白頭山の大噴火は、世界最大級のものでした。

爆発の勢いはすさまじく、頂上に直径5キロメートルのカルデラが形成され、

半島全体に、5センチの厚さの火山灰が覆いました。

正史である「高麗史」には、

「是歳天鼓鳴赦」、「定宗元年(946年)天鼓鳴」の記述があります。

前者の意味するところは、

神の怒りを鎮めるために、罪人の大赦をおこなったということでしょう。

火山灰は偏西風に乗って、東日本や北海道まで達し、

興福寺年代記」には、

奈良にも白い火山灰が降ったという記述があります。

 

2005年、中国の研究チームは、

白頭山カルデラの地下にある、マグマの熱源を確認しており、

地中から噴出する火山性ガスの影響による、

火口付近の樹木の枯死も確認しています。

 

火山の噴火と核実験との因果関係も指摘されています。

白頭山は、豊渓里の核実験場から、130キロしか離れておらず、

これまで、ほとんど地震が発生しないといわれていた朝鮮半島で、

ここ数年、地震が頻発しているのです。

西暦946年から、すでに1000年以上が経ちましたが…。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。