よしをです。
大坂夏の陣で、難攻不落と謳われた大坂城が、ついに落城しました。
千姫が残されました。
家臣は目の色を変えました。
もし、千姫を救出すれば大手柄であり、
ひょっとすると、千姫を娶り、徳川家と親戚になれるかもしれません。
真っ先に、燃え盛る城内に飛び込んで千姫を救出したのは、
坂崎出羽守直盛という、徳川家の直臣でした。
諸将は出羽守の出世を間違いないものと、噂したことでしょう。
ところがその後、
千姫を救出した出羽守は、その際に顔に大やけどを負っていました。
一説には、出羽守の顔のやけどを怖がって、
姫は出羽守を遠ざけたともいわれていますが、真偽は不明です。
ともかく、千姫を与えられなかったことについて、
出羽守は屈辱と感じ、千姫を奪還する計画を立て、
計画が発覚すると、自害したといわれています。
現代において、
海外などの事例をあげて、当方の状況の瑕疵を挙げへつらう人種を、
皮肉を込めて「出羽守」というそうです。
テレビのワイドショーをはじめ、SNSなどでも、
このような発言を繰り返す人たちが後を絶たず、
出羽守の論拠は、他者との比較を根底においていて、
単純明快な印象を与えやすい反面、
我田引水のために、
自らに都合のいい特殊な事例を引き合いに出したり、
物事の経緯や背景を無視するなど、程度の低い論調も多く見られます。
自らは安全な位置にいて、他者を批判することが多く、
先だっての国家公務員の定年延長法案のように、
出羽守に乗せられてしまった人たちが、さらに批判を拡散させるという、
悪循環に陥ることも多いのです。
坂崎出羽守との決定的な違いは、
現代の出羽守には、自らの主張や結果に覚悟がないことでしょう。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。