さあ来い 卒サラ!          ~悔いのないセカンドライフを目指して~

起業とか資格とか。趣味や思い出話など いろいろランダムに

阿波の人形浄瑠璃

よしをです。

世界各国にある人形劇を、少し紹介したいと思います。

フランスの「ギニョール」は、17世紀ごろ、イタリアから伝わったとされ、

もともとは労働者の娯楽としてはじまったドタバタの風刺劇でしたが、

現在は子ども向けの娯楽として、上演されています。

 

トルコの「カラギョス」は、影絵の人形劇です。

歴史は古く、14世紀のオスマントルコ帝国の首都ブルサに生まれ、

現代に伝わる伝統劇です。

白い幕の後方から光を当て、幕の裏で切絵人形を操って、音楽も伴います。

内容は、町人のカラギョスと物知りのハトの掛け合いで、

祭りや結婚式などのハレの日に上演されるようです。

中国にも、「皮影戯」という影絵があり、

1200年前の唐時代には、紙人形による芝居が上演されていたそうです。

 

台湾には、「布袋劇」という民間芸能があります。

この人形は、頭部と手足は人形で、

それ以外の身体部は布で隠されているという、等身大の人形です。

 

わが国の人形浄瑠璃の歴史は、15世紀の淡路島を起源とする説が有力です。

それ以前は、平安時代から存在した傀儡子(くぐつし)に、

ルーツがあるといわれています。

一説には、傀儡子は大陸から渡海した漂泊民で、芸能に長じていたそうです。

 

傀儡子は、各地を漂泊して、曲芸や舞踊、物真似をしていました。

男は弓今で狩猟し、刀玉のような曲芸をし、人形を操り、

女は唱歌淫楽の遊女を生業としていたと記されています。

 

一方で、寺社や有力者の庇護を受けていた者(いわゆる散所者)があり、

西宮神社を根拠とした一団は、「えびすかき」と称して、各地を回りました。

かれらの演芸のなかに、人形を使った見世物があり、

やがてそれは、2つの方向に発展しました。

 

ひとつは、首から人形箱をつるして、

箱の上で人形を操って、門付(かどづけ)をして歩く、

首掛け芝居(別名「木偶まわし」「山猫まわし」)というもので、

幕末まで続きました。

ちなみに、門付とは民家の戸口を回る物乞いの一種で、

室町時代には、卜占や呪術的芸能をした「声聞師(しょうもんじ)」や、

新春を祝う松囃子なども、傀儡子とともに、門付をおこないました。

 

もうひとつが、もっと大掛かりな人形劇(人形浄瑠璃)です。

人形浄瑠璃は、発展の過程で、

人形遣いと物語を語る太夫、三味線の3つが合わさって成立し、

常設の舞台で多くの観客を集めました。

 

淡路島に人形浄瑠璃を伝えたのは、

室町時代の、西宮神社の散所者だという言い伝えがあります。

人形浄瑠璃は淡路島で盛んになり、大阪にわたって文楽となり、

四国にわたって、阿波人形浄瑠璃になりました。

 

阿波では、藩主蜂須賀家の庇護をうけて発展し、

阿波浄瑠璃は、野外の農村舞台で盛んに上映されました。

野外公演で見栄えがするように、人形の頭が大きいのが特徴で、

洗練された大阪の文楽人形とは異なり、素朴で力強い人形です。

 

阿波浄瑠璃の代表的な演目は、

「ととさんの名は十郎兵衛、かかさんはお弓と申します」のセリフで、

お馴染みの、「傾城阿波の鳴門 順礼歌の段」です。

 

徳島市にある、徳島県立阿波十郎兵衛屋敷」では、

毎日、阿波浄瑠璃が上映されているということで、

機会があれば、訪ねてみたいと思います。

大阪の文楽との違いも確認してみたいです。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。