さあ来い 卒サラ!          ~悔いのないセカンドライフを目指して~

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あしたのジョーの最終回に思う

よしをです。

 

巨人の星」、「タイガーマスク」、「あしたのジョー」など、

梶原一騎の作品には共通点があります。

主人公は、全員が、少年から青年に成長する過程を描いたもので、

かれらは、幼少期に、辛い経験をしており、

それが、人生の方向性を決定づけているということです。

 

あしたのジョー」は、

作・梶原一騎、画・ちばてつやの合作です。

主人公・矢吹ジョーは、浮浪児であり、

15歳のときに、丹下段平と出会います。

ジョーは、暴力事件を起こして、少年院に入院し、

そこで、生涯のライバルとなる力石徹と出会い、完敗し、

それからは、ボクシングに打ち込むことになります。

 

ジョーは、力石との闘いで、

事故とはいえ、力石を殺してしまいました。

また、タイトルマッチを闘った、

カーロス・リベラの廃人化を目にして、

ジョーの精神は、狂い始め、

パンチドランカーの症状も出始めます。

そして、カーロスを廃人に追い込んだ、

ホセ・メンドーサとのタイトルマッチを闘って、

激戦の末、判定で敗れ、

あの有名な、「真っ白な灰」のシーンを迎えます。

 

一介の浮浪児が、

ボクシングと出会い、自らの才能を開花させ、

脚光を浴びたことについて、

ジョー自身では、うまく表現できないのですが、

思いもよらない幸運でした。

一方で、最大のライバルであり、

親友でもあった、力石を殺してしまったことは、

深い心の傷になりました。

自分だけが生き残ってしまったという、

罪悪感もあったでしょう。

 

ジョーはホセとの試合に向けて、

すでに、終わりを暗示するような表情を見せていました。

それが、ホセとのタイトルマッチで、

まるで自殺するかのような、

絶望的な戦い方につながったのだとも推察できます。

 

当初、原作のラストシーンは、

パンチドランカーになったジョーが、

白木葉子邸の庭で、

車いすに座って日光浴をしているというものでしたが、

作画の「ちばてつや」が、梶原に掛け合い、

「真っ白な灰」のシーンに差し替えられたのだそうです。

 

このエピソードを知って、

わたしは、梶原一騎という人の見方が、少し変わりました。

意外にも、優しい人なのだと。

 

ちばてつやは、

下を向いて、満足そうに微笑んでいるジョーを見て、

大人はジョーが燃え尽きて死んでしまったと理解し、

子どもは、ジョーは、ただ目をつむっているだけで、

明日にはまた、世界を目指して、

ボクシングをはじめると考えるように、

描いたということです。

 

話は変わって、

監察医の上野正彦氏は、雑誌のインタビューに答えて、

あしたのジョー」の最終シーンについて、

もしジョーが死んでいれば、体勢を保つことができずに、

前のめりに倒れてしまうはずなので、

椅子に座っているのであれば、意識があるはず。

したがって、「ジョーは生きている」と断言しています。

 

…どうでもいいわ。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。