社会保障の財源を考えてみる
よしをです。
公的年金の支払いにおいて、
年金保険料の収入がカバーしているのは、全体の70%程度で、
不足分は、税金で補填しています。
医療費についても、医療保険料収入は全体の50%で、
残りは、税金からの補填に頼っています。
年金と医療費の合計金額は、年間100兆円に迫る勢いで、
これは、日本の国家予算に匹敵します。
さらに今後、高齢化がすすむと、
現在の年金制度や、医療制度を維持するためには、
財源はさらに不足してきます。
高齢化に対応し、社会保障の水準を維持するためには、
現在のシミュレーションで、少なくとも10兆円の追加が必要です。
国民が、年金制度の改悪も、
医療制度のサービス低下も認めないとしても、
現状の税システムでは、財源がどこにもありません。
法人税の引き上げは、経済規模の縮小を生むだけなので、
消費税のさらなる引き上げは必然ですが、
10兆円を確保するためには、
消費税を、さらに4~5%引き上げなければなりません。
昨年、IMFが消費税を15%まで引き上げるよう、
日本に提言したのは、このシミュレーションが根拠になっています。
昨年9月に、安倍総理は、消費税10%への値上げに関して、
「今後10年ぐらいは(消費税を)あげる必要はないと思う」、
と語っていますが、財源が不足することは明らかです。
社会保障の給付と受益のバランスは、このままでいいのか。
ある程度の社会保障サービスの低下を、
認めなければならないのではないか。
個人的には、そのように考えはじめています。
それはそれとして、政府は、これ以上の消費増税は難しいとして、
消費税に代わる財源として、炭素税を導入する案が議論されています。
国際社会で社、CO2の排出量に応じて、
企業に、応分の負担を求める制度の導入がすすんでいます。
企業からの税収といっても、製品やサービスに価格転嫁されるか、
従業員の給与削減という形で、費用転嫁されることになるので、
結果的には、一般消費者が税負担することになります。
小泉環境大臣の見解を伺いたいと思います。
そのほかにも、消費増税に代わる財源を、いくつか考えてみました。
1968~1989年まで導入され、
独身者の収入の5~10%を徴収しましたが、結果は大失敗でした。
導入の直接の理由は、少子化対策でしたが、
導入前は2.18%だった出生率が、1.86%に下がり、
増収効果も、ほとんどなかったといわれています。
政府の思惑が外れ、
経済的に余裕のない層が、ますます結婚から遠ざかってしまったのです。
独身税の負担が大きいため、貯金ができず、結婚もできないという、
負のスパイラルに陥ってしまったことのようです。
一瞬、前澤友作氏の顔が、頭をよぎったのですが、
よく考えてみれば、日本でも、
富裕層よりも、貧困層の非婚率が圧倒的に高いわけですから、
未婚税導入は、ブルガリアの二の舞になりそうな気もします。
イタリアには、ポルノ税というものがあり、
ポルノ雑誌やビデオ、映画に対して、25%の税金が課せられています。
イタリアのポルノ市場は年間1200億円にのぼり、
有力な財源のひとつになっているそうです。
安倍政権が検討しているという、パチンコ税も有力です。
そもそも、換金できること自体が大問題だと考えていますが、
換金時に1%の税率で課税すると、
2000億円の財源が生まれる構想です。
(10%の2兆円でもいいのではないかと)。
ポルノ税やパチンコ税の導入に、反対の声は少ないでしょう。
今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。