さあ来い 卒サラ!          ~悔いのないセカンドライフを目指して~

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ウルトラマンと予定調和

 

よしをです。

 

わたしが幼少の頃は、円谷プロダクションの全盛時代でした。

ウルトラQや、初期のウルトラマンシリーズは、かかさず見ていました。

 

わたしは、

ウルトラマンの戦い方に、不満をもっていました。

ウルトラマンは、地球上に3分しかいられず、

残り1分を切ると、カラータイマーが点滅しはじめます。

そして、毎回、3分ギリギリになって、必殺技(スペシウム光線)を出して、

怪獣をやっつけて、飛び立っていくという流れです。

 

ひょっとすると、

カラータイマーとスペシウム光線が、連動しているのかと疑ったり、

スペシウム光線は1回しか発射できないのかも、

などと、思いを巡らしましたが、どうやらそうではなさそうです。

緒戦において、フィジカルに勝る怪獣に対して、あえて肉弾戦を挑み、

かなり追い込まれた挙句、苦し紛れに光線を発射するという稚拙な戦法に、

テレビの前で、イライラしていたものです。

 

「最初から撃て!」

 

しかし、ウルトラマンの戦法は、

ある意味、予定調和というか、形式美の一種であったということを、

長じて知ることになりました。

要するに、時代劇でいうところの、

水戸黄門の印籠や、必殺仕事人の中村主水の登場と同じようなもので、

きわめて日本的な、安心理論のストーリーなのです。

 

中村主水は、宮勤めの身ですから、顔がばれるとマズイわけです。

暗殺時には、恰好つけたセリフをいうのはやめておいて、

相手に顔をさらさずに、不意打ちにすればいいのです。

 

だって、失敗するかもしれないでしょう?

 

しかし、主水は確実に相手を仕留めますから、顔バレしてもOK。

これぞ、予定調和です。

テレビの世界では許されても、実社会においては、

結果が予定から逸脱したケースを、想定しておくことが重要です。

 

物事や事象に対する、秩序的に整理された考え方というのは、

きわめて日本的な特徴です。

これはプラスにも働きますが、

会社勤めをしていると、予定調和の弊害を感じることは少なくありません。

大きな弊害は、

あらたなアイデアを生み出す力が弱いことと、

トラブル対処への弱さです。

 

日本のビジネスシーンでは、会議や議論をはじめる前に、

落としどころを予測して、臨むことが多いと思います。

発言者は、突飛なアイデアを避ける傾向があり、

予想されるゴールに、同意するような形で、

議論がすすんでいくケースが多いと思います。

 

出席者の合意をとる趣旨の会議であれば、

レールから外れた意見が出ないことは、時間の短縮になるでしょう。

しかし、あらたな道を開拓するような協議の場においては、

画期的で斬新なアイデアは、生まれにくいと思います。

政治の世界の、「忖度」問題なども、予定調和の弊害だと考えます。

 

日本人は、科学技術系のノーベル賞を、多く受賞していますが、

かれらは、予定調和を好む日本人の気質からは最も遠く、

稀有な気質をもった人々だと思います。

 

なぜ、突然変異のように、奇抜な発想ができるのか?

 

わたしは常日頃、疑問に思っています。

明確なのは、

ノーベル賞受賞者の皆さんは、日本人らしくない日本人、だということです。

 

ゆとり教育の考え方は、

みんな平等、手をつないでゴールなど、予定調和そのものです。

残念ながら、ゆとり世代からは、

ノーベル賞を獲得できるような科学者は、生まれにくいと思うのです。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。