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レバノン杉

よしをです。

 

日産・ルノー会長のカルロス・ゴーン容疑者(!)のルーツが、

レバノンだということを、はじめて知りました。

(正確には、両親がレバノン人で、本人はブラジル生まれ)。

 

レバノンの国旗に描かれているレバノン杉は、

この国を象徴する存在です。

太古の昔、地中海東岸の山々は、

レバノン杉で覆われた、森林地帯だったそうです。

しかし、文明がすすむにつれ、次々と伐採されていきました。

紀元前2500年頃、この地方を支配したフェニキア人は、

レバノン杉を使って船をつくり、エジプトなどとの交易で繁栄しました。

エジプトでも、レバノン杉は重宝され、

宮殿などの建造物や、ピラミッドの梁、棺桶など、

大量のレバノン杉を消費しました。

 

レバノン杉は、生育のスピードが遅い種類の樹木です。

乾燥した地中海気候の影響もあり、

現地の人たちが、植生に積極的でないこともあって、

いつしか、レバノン杉の森林は姿を消してしまいました。

現在では、レバノンの山岳地帯は、ほとんど禿山状態になり、

レバノン杉は、全土で1000本程度しか、残っていないのだそうです。

ちなみに、エジプトでも、

原産地であるナイル川流域から、パピルスが絶滅しています。

レバノン杉と同じように、資源がとりつくされたのでしょう。

 

日本でも、いつ頃植生されたのかは、定かではありませんが、

新宿御苑など、各地の公園などで、レバノン杉を見ることができます。

気候の違いもあり、種類は同じでも、

日本の木は、現地の木とは、随分見た目が違うのだそうです。

ワシントンDCの桜並木も、

日本の桜とは、全然違う雰囲気だといいますから、

樹木の成長は、気候の違いと密接な関係にあるのでしょう。

 

日本の植樹の歴史は古く、

日本書紀には、スサノオノミコトが苗木を植えたという話が伝わっています。

大宰府天満宮の「飛梅」の逸話なども、

菅原道真を偲んだ人びとが、梅の木を植樹したということでしょう。

 

日本で、植林が盛んにおこなわれた理由は、

万物に神が宿るという、古代からの宗教観に加えて、

温暖で湿潤な、この国の気候の影響も大きかったと思います。

さきほどのレバノン杉の例のように、

乾燥した気候では、植林しても育てることが難しいのでしょう。

アフリカなどでも、日本人のボランティアが植樹していますが、

枯れてしまうことが多いといいます。

また、せっかく根付いて育った木も、

燃料として薪にされてしまう、という別の事情もあり…。

 

本の森林は、先人たちの努力で維持しています。

同じ東アジアの国でも、中国や、朝鮮には、植樹の習慣はありません。

これらの国と同じように、あらたな植樹をせず、伐採するだけだったとしたら、

日本の山々は、

レバノンや、朝鮮半島のような禿山ばかりになっていたはずです。

 

日本の林業は、後継者問題など、難しい問題もありますが、

豊かな自然と水資源を残してくれた、先人たちの努力には、

素直に頭が下がります。

林業が、有効なビジネスとして、生き残るアイデアが求められます。

 

 

今回も、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。